「アクセル・ワールドVSソードアート・オンライン 千年の黄昏」思いのほかストーリー部分が良好。

アクセル・ワールドVSソードアート・オンライン

同じ世界を共有しているアクセル・ワールド(AW)とソードアート・オンライン(SAO)。 両作品のクロスオーバーを望むファンも少なからずいたと思いますが、ゲームという媒体でそれが実現されることになりました。

SAO:LS(ロストソング)の後継作ということで、プレイ感覚では「SAO:LS 1.5」くらいな印象を受けるものの、意外や意外、物語が割と良かったです。

スポンサーリンク

基本的にはSAO:LSを踏襲した内容のARPG。

公式トレーラーを一応掲載しておきます。

なお、ここには掲載しませんが、公式PV第4弾は物語の核心に触れるような公式ネタバレが含まれるので、もし自身で視聴する場合は注意してください。 システム詳細などに触れているので本当はそちらを掲載したかったんですが……。

本作はオリジナルの設定や物語を引っさげた、内容的システム的にはSAO:LSの後継作……というか、バージョンアップ作品ってな印象です。 なので、SAO:LSをプレイした人に関しては、アレ+αな完成度・内容だと思っていただければ。

細かい部分で改善があったりはするものの、キャラモデルやモーション、基本システムはほぼ同一内容なので、あまり「新作!」という印象は強くはないかもしれませんが。

未プレイの人に関しては、SAO関連の過去作(SAO:HR、ホロウリアリゼーションなど)に比べるとよりACT寄りなARPGという認識でいいかと。 完成度ややりこみ要素、RPG的な要素では劣るものの、こちらには心地よいフライト(飛行)や本格的なACT操作が実装されている作品です。

SAO:HRなどに比べれば比較的カジュアルでライトに遊べる気がしないでもないので、あちらで苦戦した人でも楽しく遊べるかもしれません(もっとも、本作ではよりACT的な操作を要求されますが)。

物語: あくまでもSAOが主体でAWは来訪者。

ストーリーのほうはと言いますと、SAOの世界にAWのキャラがやってくる……という認識でいいと思います。 あくまでもSAOが主体となっていて、AWは未来からの来訪者というような。

中の人

AWとSAOのキャラが同じ画面に出てくるとは……同じ“中の人”だと、演じ分けに脱帽するしかないですね。

じゃあAWのキャラがゲストという扱いかというとそうでもなく、総勢30人を超すキャラ数ながらも、各人に何かしらの見せ場やエピソードが用意されています。 この辺はキャラゲーの魅力であるファンサービス精神が感じられます。

とはいえ、メインはSAO側の事情や物語が核となっていて、連れ去られたユイの救出と、彼女を連れ去った謎の人物……ペルソナ・ヴァベルとの戦いがメインとなっています。 ある程度状況が動くまでは、AWのゲスト感も強かったですが徐々に盛り返していきます。

物語の大筋としては「めちゃくちゃ面白い!」とかいうモノではないんですが、これだけのキャラを出しておいて、それなりにうまくまとめているのは割と感心しました。

そして、物語の最終局面。 ここが個人的にはかなり良かった。

AWとSAOのキャラのクロスオーバーということでお祭りゲーかと思いきや、本編は意外とシリアスな感じで進行していくんですけれども、クライマックスでそれがある程度以上結実していると言えます。

そこで描かれるのは、なにもAWやSAOに限らず、これまでも……そしてこれからもしばらくは長らく議論されるであろうテーマを取り扱っています。 このネタ、私は好きなテーマのひとつなので、なかなか楽しめました。

物語全体としては……正直、思ったほどの意外性はなく、むしろ手堅い印象すらあります。 ただ、それは悪いことではなくて、予想以上には楽しませてくれる結果をもたらしてくれました。

システム: 若干の改善はあるものの、まだまだ粗い。

上の文で“完成度が低い”というような感じに本作を表現しましたが、前身であるSAO:LSに引き続き本作もシステムの完成度は決して高くありません。 もちろん、全く同じということではなく、改善点も見られるのですが。

不満点を列挙しますと、

  • カメラワークがヒドい
  • 鍛冶システムの実用性がかなり薄い
  • 難易度が不安定
  • ミニマップが見にくい・わかりにくい
  • メイン/サブのクエストの目的が判然としないことが割とある
  • AIがポンコツすぎる
  • MMO感が減退

……と、結構あります。

まず、カメラワーク。 これはロックオンに関わるもので、SAO:LSにおいて個人的に最大級の不満点だったのですが、ここは改善されました。

……というか、世間一般でいうロックオンシステムにやっとなった、というのが正しいかもしれません。

ただ、コレを手放しで喜べないのは問題も残っているからで。 それこそが、カメラの挙動が相当劣悪であることなんです。

現在ではカメラオプションの追加により状況は改善されましたが、発売直後のカメラ挙動はそれはもうヒドいものでした。 本作の敵は結構動くんですけど、その動きに対してのカメラ挙動が最適化されておらず、状況把握が困難なレベルでした。

無論、今のバージョンでも「見えねー!」とかっていう場面はチョコチョコあるんですが、まぁ、遊べないこともないレベルにはなっています(と言いつつ、高難易度クエストではカメラに殺されたり)。

また、SAO:LSでも影が薄いというか、実用性があまりなかった鍛冶屋は今回も相変わらずイマイチな仕様です。

本作の鍛冶屋では武器の強化のほか、追加効果の付与、武器の進化ができるようになりました。

武器の強化はそのまんまで、素材と若干のお金を支払えば、武器の攻撃力を強化できるというもの。 武器に属性がついている場合は、属性値を強化することもできます。

追加効果の付与は、同じ武器を素材として、別の武器に追加効果(毒付与など)を移植するようなイメージです。

武器の進化は、武器の強化で付与される強化値(例えば、レイピア+3の「+3」部分)が10の場合に、強化値はリセットされるものの次のグレードの武器に変化させられるというもの。 本作ではグレード間の差が大きいので、大幅強化が見込めます。

G1

参考までに、グレード1の武器。

G2

こちらがグレード2の武器。 性能は1.5倍に。

G3

そしてグレード3……グレード2の武器の2倍の性能に。 ここまでくると、ソードスキルの威力もグレード1や2の装備時とは大幅に差が出てきます。

……こうして書き出してみると、鍛冶屋でできることが割と多くて、ともすればお気に入りの武器を長く使えそうなイメージすら湧きそうなもんですが、実際はそんなことはありません。

まず、武器の強化ですが、強化一回あたりの上昇値がかなり微細なので、底上げにはなるものの……長期運用できるほどの効果は得にくいです。

その上、鍛冶レベルというものがあって、鍛冶レベルが強化したい武器のグレードの値以上でないと強化できない仕様になっています。 グレード2の武器を強化するには、鍛冶レベル2以上が必要になるというような感じ。

この鍛冶レベルを上げるにはひたすら鍛冶をするしかなく、大量の素材とそれなりの金額を消費することになるなど、手間と資源の消費がかなり重いんです。

そうして鍛冶レベルをやっとの思いで上げて、あの武器を強化できた! と思った矢先に手に入れた次のグレードの武器に、火力面で負けているなんてことは日常茶飯事。 割に合わないったらありゃしません。

先程もチラッと書いたように、本作では武器のグレードが1上がるだけで、基本性能の差はかなり違ってきます。 ソードスキルなんかを使うと、ダメージの上昇具合はより大きくなり、インフレと言って差し支えないレベルです。

なので、普通に攻略するならば、愛用の武器を無理して強化し続けるより、ドロップ品の武器や店売りの一つ上のグレードの武器を買って乗り換えたほうが、簡単で手間もコストもかからないんですよね。

追加効果の付与は、同じ武器(同グレードでもできるかは未検証)を用意しなければならないわけですが、素材になりうる追加効果つき武器は敵からのランダムドロップ。 おまけに結構な武器種があるわけで……。

ご想像のとおり、普通にプレイしていたのでは、追加効果の付与のための素材武器を手に入れられる確率は低いです。 実際、私は一度も利用することなくEDを迎えましたし。 そして、追加効果よりも攻撃力を重視したほうが楽という……。

こんな中では、武器の進化は唯一、目に見えて武器が強くなる実感があるとともに、(名前や外見は変わっちゃうのでアレですが)お気に入りの武器を長く使える可能性を秘めています。

……が、前提条件が強化値10(要するに最大強化)ですので、膨大な量の素材が必要になるだけでなく、鍛冶レベルが条件を満たしている必要もあるわけで、ちょっとシナリオ進めて次のグレードの店売り品を買うなどしたほうが早いんですよね、やっぱり。

以上から、鍛冶に関してはノータッチでも攻略上全く問題ない……と言えば聞こえはいいかもしれませんが、実質、あってもなくても大差のないものにまでなってしまっているんですよね。

多少なり攻略を有利にできるのならまだしも、費用対効果がイマイチすぎるのが残念至極です。 もうちょっとなんとかならないのかな……。

ただし、この鍛冶システムはゲームクリア後にさらなる高みを目指す場合は活用できたりもします。

グレード10武器の強化値をMAXにして限界まで火力を高めたり、厳選した高火力武器にイイ追加効果を付与するなど、自己満っちゃ自己満ではありますが、自分なりの最強を目指す上では最終的にお世話になることになるかと。

……その場合でも、鍛冶レベルをMAXにするという苦行が待っているわけですがね。

そのほか、AIの不出来もイライラの元になりました。

本作ではダンジョンの構造が多層的・立体的になっていて、まぁ、これ自体はいいんですが、構造にAIのオツムがついていっていないのが最大の問題です。

どういうことかって言うと、しょっちゅう変なところで仲間が引っかかるんですよ、ダンジョン内で。 で、気がつくと自分一人で戦うことになるっていう。

しかも本作では「プレイヤーと一定距離が離れたら、ワープしてついてくる」なんてモノは備わっていないらしく、基本的にずっとそのままです。

会話イベントなどを挟むと合流したりしますが、どうせその後どこかで引っかかりますし、会話イベントのないダンジョンだとしたら……迎えに行ってあげるしかありません。

おまけにダンジョンだけでなく、フィールドマップでも起こることがあるというもんだから、相当なもんです。 AIのオツムには期待してないので、せめてちゃんとワープなどで追従してくれるようにしてくれればいいんですが……。

その上、ミニマップの見にくさもあって、ダンジョン攻略がなんとなくめんどくせーという印象になったのはマイナス点です。 これならまだSAO:LSのダンジョンのほうがマシでしたね。

あと、細かいところでは、せっかくPS4版SAO:LSではMMO感が少し強まった(街のモブ増加、フィールドでモブが狩りをしている……など)にもかかわらず、今回は再び初期の寂しいSAO:LSに戻ってしまった点。

これは、同時発売のPS Vitaと整合性をとるために、PS Vita版に寄せた結果なんでしょうけど……敵の数やリポップ周りもアレなんで、PS4版は頑張って別仕様にしてほしかったですね。

……とまぁ、大小様々な不満点は挙げ始めればキリがないほどボロンボロンと出てきますが、それでも憎めないというか、なんだかんだ言いながらも遊んじゃう・楽しめちゃうのが不思議なところで。

それはフライトが心地いいからかもしれないし、シンプルながら楽しい戦闘のおかげかもしれないし、あるいはキャラやストーリーに恵まれているからかもしれません。

それだけでなく、よりよい武器を手に入れるためにボスを連戦したりと、装備収集なども楽しめたりするので、そういうところに惹かれる場合は決して不満だけに終わらない作品だとも思います。

AWのキャラとSAOのキャラの違い、性能差など。

続いて、AWとSAOキャラの使い勝手や性能・特性の違いに触れておきます。

まずSAOキャラに関しては、基本的にSAO:LSのそれと仕様は同じです。 若干、エフェクトや髪の揺れなど表現面などでは強化されていますが。

後述のAWキャラとの大きな違いは、飛行能力とスキル数、装備システムとなっています。

まず飛行能力。 本作の舞台となる世界は、ALOの世界であるため、登場キャラはいずれも妖精アバターであり、空を飛ぶことができます。

心地よく飛ぶことのできるモードと、空中戦がしやすい滞空モードとを切り替えつつ世界を飛び回ることができるのが、前作同様、大きな特徴です。 ただし、慣れるまで少し時間がかかるかもですが。

スキルや装備の豊富さも、SAOキャラの利点です。 スキルで言えばソードスキルのほか、各種魔法がありますし……武器の種類や数も豊富ですからね。

今作のボス戦は空中戦がかなり多いので、SAOキャラを多めに入れておくといいかもしれませんね。

では一方のAWキャラですが、非常に高い機動性と独特なスキル・装備体系が特徴的です。

AWキャラは、シルバー・クロウやスカイ・レイカーといった一部の飛行可能なキャラを除くと、当然ながら空を飛ぶことはできません。

ただし、そのデメリットを補って余りあるほどの高機動性が魅力。 かなり遠くまで高速移動できる「アクセルムーブ」と、かなりの高高度までジャンプできる「ハイジャンプ」がAWキャラには備わっています。

「アクセルムーブ」は敵に急速接近できますし、コツさえ掴めば長時間の滞空も可能なので、空中戦における移動面ではSAOキャラより楽にさえ思えます。 「ハイジャンプ」も併用すればさらに快適に。

また、ソードスキルや魔法を、同系統のものならば他キャラと共有しているSAOキャラとは異なり、AWキャラはスキルはどのキャラのものもユニークなものばかり。 キャラの個性という意味ではAWキャラに軍配ですね。

スカーレット・レイン

例えばスカーレット・レインなら、強化外装のインビンシブルを着装し、ミサイルやレーザーで遠距離攻撃が可能です。

反面、装備面では刻石による属性攻撃の強化や、強化外装による様々な能力の付与といったことが可能なものの、SAOキャラに比べると選択肢が若干狭い印象を受けるのと、強化しにくいのがデメリットと言えましょうか。

とはいえ、個人的には動かしていて気持ちよかったのは、AWキャラでしたね。 ほとんどスカイ・レイカーばっかり使ってました。

能力的には……序盤から中盤にかけてはAWキャラの早熟っぷりが魅力です。

SAOキャラはレベルアップしても攻撃力は上がりませんが、AWキャラはレベルアップの都度攻撃力が上がっていきます。 レベルアップスピードも早めな本作なので、どんどん火力が伸びていき、SAOキャラのソードスキルクラスの威力を、通常攻撃で出せたりもします。

敵の弱点属性に攻撃属性を合わせつつ、その上で必殺技や心意技を使えば、そりゃもう高火力が叩き出せます。 おまけに飛行能力がないのもお構いなしな高機動性。 相当強いです。

ただし、それも中盤以降にSAOキャラの武器攻撃力がどんどん高騰していくにつれて、圧倒的な火力差はどんどん縮まっていき、終盤に至っては火力不足感が否めないほどになります。

逆に言えば、SAOキャラは晩成型と言いますか、武器依存体質と言いますか。 強力な武器さえ拾ってしまえば、一気に強くなれる可能性を秘めています。

おまけにAWキャラは使えないスキルである回復魔法を使えるSAOキャラも多いため、安全性・安定性もあると言えます。

AWキャラはライム・ベルを除けばアイテム回復に頼ることになりますが、いかんせん回復アイテムの効果量や硬直時間的に使い物にならんので、アスナなどの回復魔法持ちのサポートがあったほうがいい印象です。

まぁ、最終的にはどのキャラを選んでもクリアは可能な塩梅ですし、最低限のバランスだけ考えれば、好きなキャラを使って攻略すればいいと思います。

なお、操作キャラごとにサイドエピソードが発生したりしますが、少なくとも本編攻略には無関係であり……例えば「キリトやブラック・ロータスを必ず使わねばならない!」ということも基本的にはないので、ご安心を。

SAO:LSの続きができただけでも満足です。

私は前身たるSAO:LSが結構気に入っていて、ひととおり遊んでも遊び足りないなくらいなものだったので、今作がSAO:LS 1.5くらいな印象のゲームだったことは嬉しかったです。

代わり映えしない部分も大半なんですが、AWキャラの操作感が楽しかったこともありますし、シナリオも「なんとなく、これはこうだろう」と読めてしまう(そして当たってしまう)感があったものの、それでも物語も含めて楽しめました。

ただ、じゃあ広くオススメできるかというと……実に悩ましいところです。

AWなりSAOなりのどちらか、もしくは両方のファン向けであるのは言うに及びませんが、その上で、やはりゲームとしては粗雑な部分も目立つのがその理由です。

無論、前述の通り不満点は多くあるんですが、それでもなんだかんだ憎みきれないというか、楽しめるゲームでもあったりするんですよね。 だから、嫌いになれない。

SAO:LSが楽しめた人なら今回も延長線上で楽しめるでしょうが、SAO:LSが合わなかった人やSAO:HF、SAO:HRなどから流れてきた人が受け入れられるかは不明です。 今作がSAOやAW関連のゲームが初という場合は……かなりリスクを伴うかも。

仮に気になっているのであれば、思いっきり期待値を下限まで下げてから臨むと、いい具合に(不満点に多少耐えつつ)楽しめると思います。


投稿者プロフィール

壬生狼
みぶろと読みます。 活動名は他にmiburo666・Lupus(ルプス)など。
ゲーム、音楽、映画などが趣味。 このブログではゲーム系記事を公開しています。
現在のアイコンはPSO2のマイキャラであるルナール。
スポンサーリンク