「Horizon Zero Dawn」ひととおりクリア。 全体的にハイレベルな作品。

Horizon Zero Dawn

「狩り」をテーマとしたオープンワールドARPG「Horizon Zero Dawn」。 こちらをひととおりクリアしたので、感想を。

尖った魅力や特徴はあまりないものの、全体的にハイレベルで、優等生的な作品になっています。 意外なことに、ストーリーもかなり楽しめたのが、嬉しい誤算でした。

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Q: 本作はモンハンみたいなゲーム?

A: そうでもないです。

メディアによっては、本作のジャンルをオープンワールドタイプの「狩ゲー」や「ハンティングアクション」と表現していますが、一般的な「狩ゲー」のイメージとはちょっと異なるかなと。

一般に「狩ゲー」という場合、モンハンやそれに類するゲームを思い浮かべると思います。 こう、クエストやミッションを受注して任地に行って、対象を狩猟して帰還……得た素材で装備を作成・強化する……ようなゲームを。

あるいは、4人とかで集まって、みんなでワイワイと敵を倒すようなイメージがあるかもしれませんね。 オンラインマルチプレイこそがメインディッシュ的な一面もあります。

そうした意味で「狩ゲー」であると本作を捉えて手を出すと、恐らく肩透かしを食らうと思います。 「あれ? 思ってたのと違うな」と。

実際には冒頭にも書いたように、「狩り」をテーマとしたモダンなオープンワールドARPG……という表現のほうがしっくり来ると思います。

ストーリーに沿って各地をブラつきつつ、散発的に発生するサイド・サブクエストをこなしたりしていく……そんなイメージです。

アクション: 色々切り替えたり使い分けての狩りが楽しい!

というわけで、プレイ動画をば。

本作でとりうるアクションは、槍による近接攻撃と弓やスリングによる遠距離攻撃、その他各種罠類。 これらを使い分けて、敵と戦っていくわけです。

遠距離武器にはグレードがあって、高いグレードのものほど扱える矢弾の種類が増えたり、コイル(装備のスロットにはめて強化するアイテム)を装着するスロット数が増える傾向にあります。

よって、より多くの種類の、よりよい遠距離武器を得ることによって、どんどん戦い方の幅や選択肢が増えていくんですが、これによる変化や試行錯誤が楽しい。

「新しい武器を手に入れたけど、どう使えば効果的だろうか?」「膠着した状況だが、アレを使ってみようかな?」とか、敵の種類や数、周囲の状況に合わせて使い分けていく感じですね。

ここに楽しさを見いだせる人なら、場に合わせてアレコレ試す本作のプレイはかなり楽しめると思います。

もちろん、本作はARPGですので、レベルアップによるキャラの強化もあります。

本作のレベルアップは、HP上昇とスキルポイントの獲得“のみ”行われるのですが、正直、前者のHP上昇効果はさほど大きな影響を持ちません。

チリツモでは実感はありますが、これが効果を実感できる頃には、むしろ装備の充実や、スキルポイントを消費して習得する各種スキルの効果による強化度合いの方が遥かに実感できていると思います。

スキル習得画面

スキルポイントはレベルアップ時に1もらえるだけでなく、一部のクエストをクリアすることでももらえたりします。 最終的には全スキル習得可能ですが、習得順は慎重に……。

攻撃力や防御力といった要素はレベルアップでは成長しないので、ゲーム後半になっても一定以上の緊張感を保っているようなバランスになっています。

その他、装備の強化は敵の素材から新たに装備を作ったり強化するのではなく、敵の素材を利用して商人と取引して入手したりすることになります。

素材

素材は思わぬものを使う場合もありますので、手放す際は若干注意。 ただし、用途が「シャードと交換」しか書かれていないものは換金専用なので、どんどん売り払いましょう。

アップグレード

装備だけでなく、矢弾や薬の所持数をアップグレードすることも可能。 ただし、それなりに動物や魚などの素材や、シャード(お金)、枝などが必要になります。

前述の通り、装備の強化にはスロットにコイルという強化アイテムをはめ込むことで行います。 コイルは敵の機械が持っていたりするので、それを使う感じですね。

このコイルにもグレードがあり、上位のものほど効果が高くなります。 例えば単純に与ダメージを強化したり(武器)、特定の属性ダメージを軽減したり(防具)……。

そして、付与される効果の種類や数、効果量はランダムです。 よって、できるだけ効果が高く、多くの上昇効果を併せ持つものをはめ込んでいくことになるでしょう。

それほど、いわゆるトレハン的な楽しみはないものの、ある程度好みに合わせて強化できるシステムが搭載されているのは○ですね。

キャラ・ストーリー: 思いのほかかなり力が入っていてGood

お次はキャラクターと、ストーリーについて。

まずは主人公・アーロイについて書きますと、非常にいいヒロインになっていると思います。

アーロイ 幼少期

幼少時代のアーロイ。 日本人の美的感覚からするとあまりかわいくはないものの、目元に強い意志が顕れているのが印象的。

成長後 アーロイ

こちらが成長後……というか、本編が本格的に始まってからのアーロイ。 強くたくましい女性になりましたね。

正直……特に幼少時代は「ありゃ、あんまりかわいくない……」と思いました。 声とか挙動はかわいいんですけどね。 実際、アーロイの容姿に関しては「かわいくない」という意見も一定以上見受けられます。

ただ、それでも私はアーロイの顔立ちは魅力的だと思っています。 これは幼少時代もそうですが、とにかく目元……眼力や眉の力強さがすごくイイと感じているから。

日本人好みのする清廉可憐な美少女ではないですが、その凛々しくたくましささえ感じる容貌はカッコイイんです。

そして、ある強い目的と意志のもとで旅立つ彼女には、やはり意志の強さを反映したような強い眼差しとキリッとした眉がよく似合います。

そんな彼女ですから、プレイすればするほど、彼女の顔は「イイ顔をしているなぁ」と感じるんです。 文明崩壊後、強い意志を持って自分の目的を達しようとする強い女性ですから、こうでなければならないでしょう。

もちろん彼女の魅力は容貌だけではなくて、その言動にもあります。

本作は文明崩壊後が舞台であり、いくつかの部族にわかれて人間がほそぼそと生活しているわけなんですが、このアーロイはその文化に「ドップリではない」のがポイント。

プレイヤーはゲームを開始してからはじめてこの世界の状況や文化・ルールに触れていくわけですが、当然、その理解を深める過程で疑問や反感を覚える場面も出てくると思います。

その時、アーロイはこの世界の住人でありながら、プレイヤーの思考や感情を代弁する言動をとることが多いのです。

選択肢

ゲームプレイ中は選択肢が現れることも。 イベントやストーリーの結末に大きく影響したりはしないですが、直後の会話は結構変わるようです。 表情も豊かにグニグニ変化するので、現世代のゲームのパワーを感じられます。

なので、物語の中心として行く末を見守る対象となるヒロインであるだけでなく、しっかりとプレイヤーの分身としても機能しているわけです。

もっとも、こういう殺伐とした世界ですし、そういう世界に生きる人なので、人の死にドライな反応をしたりと「お?おお……」と思う部分もあったりもします。

しかし、そこもまた、アーロイという人間が「完璧超人ではない」というリアリティを出しているとも言えましょう。

そんなアーロイが紡ぐ物語は、冒頭こそ「稀有な出生のせいで部族に異端者として疎まれる少女の成長物語」のような体をなしていますが、それは徐々に……そしてある時点で劇的に形を変えます。

詳しくはネタバレになるので書けませんが、彼女の出生の秘密は、予想以上にこの世界の文明崩壊などに深く関わりがあるのです。 そして、それを追うことで今のこの世界が瀕している危機にも相対さねばならなくなるという……。

まぁなんというか、結構よくできたSFストーリーが展開されていくんです。

冒頭のムービーシーンなんかは、文字通り“映画的”で演出がよかったですし、この手のゲームだとサイドクエストばっかりやってメインが進まないこともありがちな私が、ある時点からは先が気になってメインクエストばっかりやってました。

本音を言うと、幼少時代にかつての機械文明に触れるシーケンスの描写はちょっとイマイチだったようにも思います。 あの時点ではあんまり世界の過去や秘密を知りたいという欲求は刺激されませんでしたし。

ただ、ある程度物語が動きはじめた頃になって、この要素がグイグイとまた入ってきて。 そこからはもう、つきなみではあるものの先が気になるというか。

ただ、全体通してプレイした印象では、サイドクエストはある程度以上消化しておいたほうが、終盤の展開などでより満足度が上がると思いますんで、ストーリー“だけ”追うのももったいないのですがね……。

ともあれ、私としてはキャラや物語も楽しめるものに感じられました。

グラフィック: 序盤は地味、中盤以降は見所あり

本作の魅力のひとつとしては、美しいグラフィックも挙げられます。

ゲームプレイ開始直後からしばらくは、「綺麗なのは間違いないけど、心に残る景色があまりないなぁ」と思っておりました。 ただそれは、ある程度世界が広がってくると解消されました。

スクショ1

幻想的な景色であったり、美しい景観であったりと、かなり目を楽しませてくれる地形がある程度先へ進めば結構あることに気がついたのです。

そして本作には、フォトモードというお遊びモードも搭載しています。

フォトモード

設定項目は結構色々なものがあり、色味や明るさ、時間帯を変更したり、フレームを変更したりもできます。

フォトモード 2

適当にいじくった後がこちら。

フォトモードでは様々な調整ができ、多少はカメラ位置も変更できるので、何気ない風景も絵になったりするんですよね。

スクショ2

スクショ3

スクショ4

色味・フィルターの変更でもだいぶ印象が変わるので、色々試したくなります。

スクショ5

スクショ6

スクショ7

クリア後コンテンツ: 少し寂しいものの、新たな楽しみ方も

若干のネタバレになってしまうかもしれませんが、クリア後の要素についても触れておきます。

……といっても、残念ながら「クリア後に挑める高難易度クエスト」などのようなものは少なくとも私がプレイした限りでは見当たりませんでした。

クリア後も自由に冒険が可能で、未消化クエストの攻略などはできるものの、特になにか遊びが追加されるわけではないようですね。 ここは、少し寂しかったところです。

ただ、そのかわりに、別の楽しみ方を見つけました。 それは、収集アイテムの収集。

この手のゲームにはありがちですが、あちこちに散在するクエストアイテムを集めるというもので……正直、集めること自体は別に楽しくはなかったです。

ただ、これらのアイテムが配置してある場所がよかった。

というのも、収集アイテムが置いてある場所は、だいたいが本編やサイド・サブクエスト進行上立ち寄らないような場所なんですよね。 数も多いですし。

ではそこには何があるかというと、前項で書いたような美麗な景観が待っているんです。 ゲーム攻略だけに集中していると見落とすような、美しい景色が。

無論、本編クリア前に集めきってしまった場合はクリア後の遊びにはなりえないわけですけど、そうしてゲームクリアというひとつの関門をクリアした後で、のんびりとぶらついて改めて景色を楽しむのもアリだなぁと。

「こんなところにこんなモノがあったのか」という発見を楽しめる人は、あえて収集アイテムはクリア後にとっておくのもアリかもしれません。

操作周り、クエスト周りでの多少の不満

全体的には本当によくできたゲームですが、本作がデベロッパーにとって初挑戦のジャンルということもあってか、多少の不満は存在します。

まず操作周りでは、割と移動経路の制限がキツいということ。 登れそうなのに登れない……ってことは割とあります。

ロッククライミング

身軽にロッククライミングしたかと思いきや……、

よじ登れない

この段差をよじ登ることはできません。

例えばスクショの例だと、上の画像からアーロイはとても高い身体能力を持っていることがうかがえるにもかかわらず、下の画像にあるような段差をよじ登ることができないのです。

……厳密に言えば、登れる段差もあるんです。 ただ、それは、「登れる目印がある足場」に限って、なんですよね。 こういうところでゲーム的な都合が見えちゃって少し萎えちゃったのは事実。

中盤以降はジャンプ連打で無理やり登山できたりする場面もあってマシになりますが、序盤はこういうところが目について「もう少し移動の自由を確保してほしかったな」と思いました。

また別のところでは、ぶら下がり後の操作がちょっと一貫性がないように感じました。

厳密に検証してないので思い過ごしの可能性もある以上、話半分で読んでほしいんですが、例えばぶら下がりから上方向へ移動する(よじ登りも含めて)際に、上方向にスティックを倒すシーンとジャンプボタンを押すシーンで分かれてるように思うんですよ。

スティック操作でホイホイとアーロイが軽快に移動している……矢先に突然ピタッと動きを止める。 なんでだとジャンプボタンを押したらよじ登った……とか。 一貫性がないので、ちょっと戸惑うポイントでした。

ぶら下がり状態から降りる時もちょっと戸惑いました。 下へ降りる際ってアクションゲームの慣例だと移動キー下入力とか、ジャンプボタンで飛び降りたりできると思うんですが、本作ではできません。

じゃあどうするのかというと、実際にはしゃがむボタン(□ボタン)で降りる……ってのがちょっと関連付けしにくかったですね。 どうせなら、他のキー入力“でも降りられる”仕様にしておいてほしかったなと。

クエスト周りでは説明不足が目立ちました。 ……特に狩場で。

狩場は、各地にある狩人たちの腕試し兼修行の場であり、特定条件下の目標を達成すると報酬がもらえるというもの。 好成績を出すことで派生的に発生するクエストもあったりします。

問題となるのは、その狩場でクエスト形式で発行される腕試し内容。 これが、肝心の部分を説明しきってくれていないのが一部にあるんですよ。

例えば「○○を倒せ!」って内容だとしたら、「ああ、一体倒せばいいのかな?」と思いがちですが……実際は3体倒さなくちゃいけないだとか。

また例えば「○○を△△しろ!」って内容なのに、△△したら(クエストが更新されて)実はその上で□□しなきゃダメだとか……。

なんかそんなのがちらほらあったんですよ。 しかも漏れなく時間制限付きなので、こういう情報の不足は無駄に焦りだけ募らせるというか。

いやまぁ……開始前にそれっぽいヒントはくれる場合もあるし、何度でもペナルティーなく再挑戦できるからいいんですけどね。 ちゃんと説明すべきは説明してよと。

時間制限がある以上、クエスト目標に関する具体的な数字や具体的な工程……これらはクエストログに明記して然るべきモノだと思うんですけどね。

なお、これは狩場の……それも一部の腕試しで見られた傾向で、クエスト全般が不親切ということではないことは誤解なきように。

強烈なインパクトはない、しかし、全般的に高い完成度がそこにある

ということで色々書いてきましたが、トータルでの完成度だけでなく、個々の完成度も軒並み高いのが本作です。

直近でプレイしていた「NieR: Automata」と比べると、本作には「本作ならでは!」という尖った部分や強烈なインパクトはあまりないと思います(プレイ間隔が近かったせいもあるかも)。

しかしそれは決して本作が凡作ということではありません。 突出……いや、傑出したナニかがあるわけではないだけで、どこをとってみても完成度はかなり高いんです。 それゆえ、優等生的。

もちろんこの「優等生」という表現にはネガティヴな意味はなく、文字通りの意味です。 どれもそつなく平均以上にこなしてくれるというか。

しいて言えば、ストーリーとそれを引っ張るアーロイが思いのほか魅力的であったこと、世界が不思議と統一感があって美しかったことが、特に優れていたように思います。 ……あ、あと、敵機械のデザインが結構好きでした。

はじめの方に書いたように、日本国内で人気のある「狩ゲー」だと思って本作に手を伸ばすと、そのギャップに面食らうことはあるかもしれません。

しかしそうではなく、単純に何かしら本作に惹かれるものがあってプレイを考えているなら、安心してこの世界に踏み込んでほしいと思います。

投稿者プロフィール

壬生狼
みぶろと読みます。 活動名は他にmiburo666・Lupus(ルプス)など。
ゲーム、音楽、映画などが趣味。 このブログではゲーム系記事を公開しています。
現在のアイコンはPSO2のマイキャラであるルナール。
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