「東亰ザナドゥ」クリアしたよ。 クソゲーではないけど面白くもない。

東亰ザナドゥ イメージ PS Vita


私はどうやら、日本ファルコムのゲームとは感性が相容れないようです。

軌跡シリーズなどで人気を博している日本ファルコムが、はじめて現代劇に挑戦した東亰ザナドゥ。

ジュヴナイルARPGということで、都市伝説的な展開などにもほんのり期待して(戦闘には期待せず)購入してみましたが、どこまでいっても既視感の塊で驚きはありませんでした。 私としてはオススメするところが見当たりません。

※画像・テキストともに多めで長文な上、全体的に否定的な内容なのでご注意。

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既視感の塊でしかなく、オリジナリティはない。


本作を端的に表すとすれば、「ペルソナ4とCHAOS;CHILDと閃の軌跡とイースを足して4で割ってお湯で薄めた作品」です。

ストーリーのベースは異能バトル系ラノベにありそうなものを下敷きにしていて、随所の展開やシステムがペルソナ4(あるいは3)に類似しています。

特殊ステータス
ともすれば“漢”とか表示されそうな、主人公の特殊ステータス。 しかし特別な選択肢の条件になるわけでなく、アイテム交換のためでしかないという薄味システム。
授業
授業中、友人に答えを教えてあげる(正解すればステータスアップ)シーンも。 まぁ、これは学園モノっぽさを出したかっただけ……という見方もありますが、後にも先にもこの一回きりという謎。 疑惑は深まる。
霧
おまけに失踪者まで出る始末。 霧の日だからといってゲームオーバーになるわけではないですが。
学校
学校が変貌しダンジョンに。 さながらタルタロスのよう。
今
二言目には「時は、待たない」とか言いそうですね。 まぁ、ジュヴナイルならではのセリフと言えましょうか。

物語の設定や局所的な展開はCHAOS;CHILDとモロかぶりしているところもあるし、UIやシステムの大半は閃の軌跡の流用、戦闘の感触はイースといったところ。

UI1
UI2
UI3
UI4
ここまで閃の軌跡とほぼかわらないUI・システム群。 特に料理なんて必要性を感じられないし、単にこれまであったシステムをそのまま持ち込んだだけ感が。

一応トゥルーエンドまでプレイしてみましたが、本作ならでは!というものが全くと言っていいほど存在せず「どっかで見たような」「これ、あのゲームのアレじゃん」というもののオンパレード。 推理するまでもなく、予想した展開にしかならないので驚きもありません。

細かいところでは各話ごとにOPが入り、さながら連続ドラマ・アニメのような演出になっていますが、これは恐らくジュヴナイル系ゲームの先駆者・東京魔人學園剣風帖や九龍妖魔學園紀あたりの影響でしょう。

しかし真似るならいい感じに真似ればよかったものの、こちらは毎回OPしか流さないという中途半端っぷり。 偉大な先人は毎回EDテーマ・スタッフロールを流すことで、余韻を残しつつ、連続ドラマ・アニメ的な雰囲気を作り出していたんですがね。

どこかで見たようなキャラがどこかで見たような事件に巻き込まれ、どこかで見たような流れを経て仲間になって……なんだかんだあって、やっぱりどこかで見たようなエンディングへ至る。

その既視感の元である作品に触れていないんであれば、まぁ、楽しめなくもないのでしょう。 王道を謳うだけあって、ストーリーが大きく破綻しているわけではない(ご都合主義は多いが)ので。

しかし、だとすれば、既視感の元として挙げたペルソナやら東京魔人學園をプレイしたほうが刺激や興奮、満足感も得られるので、特にわざわざ本作をオススメする理由もないんですよね。

好きな声優さんが出ているとか、気になるルックスのキャラがいる……とかいうならともかく、現時点でノーマークだった場合は無理をして時間とお金を本作にかける必要もないのではないでしょうか。

トゥルーエンドもいらなかったのでは?

本作にはノーマルエンドとトゥルーエンドが存在し、トゥルーの条件はクリアデータを読み込んでエピローグを再び見るだけという仕様。

システム的にもわざわざわける必要性を感じないんですが、内容的にも必要だったのか疑問が残るものになっています。

はっきり言って、蛇足です。

ノーマルエンドは意外と好きな感じ(といってもやはり既視感のあるものでしたが)だったんですが、トゥルーは安直でご都合主義全開なハッピーエンドで失望しましたね。 作中キャラにご都合主義だ、って言わせてるあたり色々ダメだと思いました。

そのトゥルーエンドの結末は、記憶する限りではそこに至るような伏線もなく、後付の強引設定で無理やりハッピーエンドにさせられているので感動もクソもありません。

当の本人たちは幸せになれたんでいいっちゃいいんですけど、ひとつの作品としてはつまらない終わり方をしたな、と。 素直に「よかったねぇ~」と祝福できない私がひねくれ者なだけかもしれませんが、終わりよければすべてよしという言葉もありますし、終わりが良くないのでアレでございます。

ちなみに、物語終盤は非常に「やっちまった感」のすさまじい展開で、私としては本作がジュヴナイルを謳っているのが理解できない内容になっています。

というか、クライマックスに近づくに連れて主人公たちの優位性が薄れていって、結果的にモブ・サブキャラと同等かそれ以下になります。 比例して、どんどん物語にも萎えていきます。

プレイすればするほど萎える……稀有なシナリオという意味ではある意味“本作ならでは”かもしれませんね。 このくだりと結末をもって、今年のワーストシナリオ賞は本作に決定です。

アクションパートは特筆すべきことなし。

見出しでオチちゃってますが、まぁ、そういうことです。

とりたてて優れた部分もなく、かといって劣っている部分もなく、まぁ、普通に適当に遊べる感じかなと。 無難すぎるのと、単調なので飽きるのがネックですが。

本作はARPGながら1キャラあたりの操作やアクションの種類・幅は少ない部類です。 それを、ダンジョン内で3キャラを切り替えられるシステムにすることで、バリエーションの少なさを補っている形になります。

難易度やらアクションの方向性は優等生的で大きく外すことがありませんが、探索することになるダンジョンが作品を通して変化に乏しいこともあり、キャラを強化してより難易度の高いダンジョンへ……!というようなドキドキ・ワクワク感はないです。

おまけにリアルタイムアクションのくせに、各キャラの持つ必殺技を放つと時間が止まって演出を見るはめになります。 閃の軌跡のような作品ならともかく、ARPGでこれはテンポを削いでよろしくないですね。

とまぁそんな具合で、とりたててよくも悪くもないので、適当に暇つぶし程度に遊ぶにはいいかな~くらいな印象です。 アクションの楽しさにハマり込むようなことはないでしょう。

ただ、ダッシュと回避のボタンが同じで、ダッシュしようとしたらまず回避行動を出してからでないとダッシュに移行しないなどという、前時代的もいいところの仕様などが気になりました。

キャラの魅力の薄さが致命的。

こういうラノベ的なゲームってキャラの魅力の重要性は高くてしかるべきだと思うんですが、本作のキャラ魅力は基準値に達していない気がします。

まず、個人的に好きなキャラを挙げておきます。

栞
非戦闘員・隣の家の幼なじみ枠。 なんだかんだ一番魅力的なのは彼女。 中の人の好演がなければ気に入ることはなかったかも。
空
後輩キャラ枠。 キャラの外観、使う武器(手甲)、声の演技の方向性……などなど、閃乱カグラの夜桜に類似。 戦闘で活躍してくれたのもあってお気に入り。

以上の2キャラがお気に入りですが、実はフルネームを記憶できていません。 後者の空に関しては物語終盤でやっとフルネームを思い出せるようになりましたが、栞に関しては結局最後までうろ覚えに終わりました。

どうしてこうなるのかというと、キャラがペラいんですよね。

初登場時なんかは各キャラの性格が色濃く出るんですが、色々あって仲間になった途端、そうした特徴が薄らいで、主人公の意見に賛同する同意マンに成り下がってしまうんですよ。

主人公「○○だろ!」→キャラ1「ああ、そうだな」→キャラ2「まったく……だが嫌いじゃない」→キャラ3「かなわないなぁ」

……こんなんばっかですよ? 意見の対立なんかも必要最低限で、同調圧力でもかかっているように、全員が全員、主人公の意見を無条件に受け入れ、尊重し、称えるんですよね。

これ、零の軌跡のロイドに対する周囲の反応のそれと同じで、非常に気持ち悪いんです。 歯に衣着せぬ言い方をすれば、大嫌いです。 周囲に迎合するだけで自らの意志があるんだかないんだか……なキャラはモブと同じか、それに劣るとすら思いますし。

そう考えると、他キャラがつまらない人物になっているのは、こやつに原因があるともいえます。

主人公
トキサカコウ。 ヤレヤレポケモン。 鳴き声は「やれやれ」。

そう、主人公です。

こいつがまた私の嫌いなタイプでして、普段はやる気なさげで「やれやれ」が口癖で……いざというときはアツく燃えるという絵に描いたような典型的やれやれ系主人公です。

こやつが、ろくに状況や事情も考えずに青臭い俺理論を周囲に押し付け、そしてそれを前述のような流れで周りが肯定してしまうもんだから、さらに増長していくわけなんですな。

もうほんと勘弁して下さい。

メインヒロインのアスカ(漢字忘れた)にしても、序盤で主人公を巻き込むまいとして遠ざける……割には、主人公を刺激しているようにしか見えない言動をとったりとプロ意識足りてないんじゃないか感もあってアレですし。

ともあれそんなわけで物語に没入できるでもなく、やれやれ系主人公、個性のないメインヒロイン、既視感の塊の後輩、うざったいだけのメガネショタ……がキズナキズナしながら乳繰り合うだけなので、いい年になると拷問レベルの青臭さが炸裂です。

1
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個人的にはこの流れも、もんどり打つほど苦手。 ただファルコム作品には多く登場する印象なので、そもそも合わないんでしょうね。

あ、そうだ。 キャラ名思い出せないけど、アイドルって設定の同級生(久慈川りせではないのは確か)もそこそこいいキャラでした。 名前がパッと出てこない時点でお察しだけど。 りおん、だっけな……?

ツッコミどころ集。

この項では、スクショを交えてツッコミを入れていこうと思います。 それくらいツッコミどころは多いです。

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やれやれ、いったいどこのエロゲ主人公だよ。
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え? それを既視感まみれのこの作品で言う? ギャグですか?
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だったらなんで本作をPS Vita専用タイトルとしてリリースしたんですかね。
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そのとおり。 この作品のように毒にも薬にもならないゲームじゃ琴線に触れるわけもないよね。
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正しくは“ソーシャル・ネットワーキング・サービス(サイト)”。 知識ひけらかしたいのはやまやまですが、それが正しくないのならわざわざ正式名称を書く必要もありますまい。 字数制限?ならなおのこと。
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私も本作を最後までプレイしたので批評しています。 サトミちゃんのお墨付きなので、文句はないよね?
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こっ恥ずかしい宣言とともに覚醒し、武器をリアルブート!
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いや、お前、一秒くらい前に自分でカルバリー・メイスとか言ってたろ。
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え、なにそのポーズ。 スペシウム光線でも撃つの?
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“極めつき”ですよ、生徒会長サン。
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“良かった点”の入力を強制するアンケート。 作品に自信を持つのは結構だけど、強制するのはどうかと思うよ。 しょうがないので音楽をいい点にしておきました。 ひどいOP・ひどい挿入歌・日常シーンのBGMを除けば、中の上くらいだったので。

愛やこだわりを感じない本作に思うところなし。

本作は、個人的には日本ファルコムのゲームを今後もプレイしてみるかどうかの試金石的な意味もありました。 結果的には、とことん、日本ファルコムのゲームとそりが合わないということがわかったわけですが、それ以上に本作には失望しました。

ゲームとしてつまらないだけじゃなくて、本作にかける熱意みたいなものが伝わってこないんですよ。

結局最後までプレイしてみても、本作を通して何を伝えたかったのか、表現したかったのか。 何を思い・考えて本作を生み出そうと思ったのかが、全くわからなかったんです。

何度も書いたように本作にはどこまで行っても既視感がつきまとい、いわば、借り物のつぎはぎでゲームを作っただけです。

私は他作品のアイデアを拝借すること自体に対しては決して否定的ではなくて、問題は模倣をすることで作品が面白く・楽しくなるのか……そしてそれはその作品ならではのゲーム体験になるのか、というところだと考えています。

その点、本作は借り物でつぎはぎした挙句、毒にも薬にもならない凡作になっており、本作ならではの魅力もない作品でしかないんですよね。

ある意味で強烈な印象を残すクソゲーは後世まで語られるのに対し、本作はそう長く語られることもなく消えていく作品なんじゃないかと感じました。 語る部分がないんですよ、それほどまでに。

そんなわけで、まぁ、クソゲー掴まされた!というような事態にはならないと思いますし、本作は決してクソゲーではないので、買ってみても失敗こそしないとは思います。 しかし、そのお金とプレイする時間を、別のゲームにあてたほうがずっといいと思うよ、というのが正直な意見ではあります。

本作クリアに30~40時間かけるなら、他のゲームに同じ時間をかけたほうが、驚きや興奮、感動に満ちたゲーム体験が待っている“かも”しれません。 しかし本作には、その可能性は限りなく低いのではないかと思わざるをえないのです。

「限りある今を悔いなく大切にする」のであれば、本作のことは忘れるべきでしょう。

東亰ザナドゥ eX+ – PS4
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