「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」割と幅広く楽しめる良作かなと。

光のお父さん

Netflixで配信されているということで、「普段ドラマ……それも国内のなんて全く見ないけど、見てみるかァ」くらいのもんで見てみたんですが、思いのほか楽しませてもらいました。

話題のブログ(らしい)の企画がヒットし、書籍化を経て実写ドラマとなった本作。 間口は広く取ってある印象で、それほど見る人を選ばない作品なんじゃないかなと思います。

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概要: 実在のゲーム(ブログ)を題材にした、ハートウォーミング系ドラマ。

とりあえず予告編などでも。

本作は実在するオンラインゲーム、FF14を題材に……というか、そのFF14をプレイしていた一般人ブログの企画が話題となってドラマ化を果たした作品です。

もちろん、ドラマ化にあたって大幅に脚色などが加えられてはいますが、作中のゲームのプレイ映像は原作者らが実際にプレイしている様子を撮影して使われているなど、かなり実験的で挑戦的な制作手法が取られたようです。

FFと言えばゲームを普段遊ばない人でも名前くらいは聞いたことがあるであろう作品ですが、このFF14はちょっと特殊な作品です。 本作はオンラインゲームという区分なのです。

オンラインゲームは全国……いや、世界中から実際にプレイをしている人が一堂に会して一緒に遊ぶタイプのゲーム。 FF14はFFをテーマにしつつ、皆それぞれが物語の主人公であり、各々の人間関係を構築し、一緒に遊んで思い出を作っていく……そんな感じのゲームです。

そんなオンラインゲームですから、人と人が織りなすドラマというのは、それこそ各人それぞれ無数にあるわけですが、その中でも白羽の矢が立ったのが、この原作ブログだったということ……なんでしょう。

物語は、突然仕事を辞めた父親の真意胸中を知るべく、正体を隠してゲーム上で父親に接触し、理由を探ろうとする息子がアレコレする……というもの。 交流や触れ合いがメインでもあるので、ハートウォーミングな作風・展開となっております。

ゲームを知っていれば「ああ、あるある」なネタの宝庫ですが、ではゲームを知らないと楽しめないかというと……必ずしもそうでもないでしょう。 題材こそゲームですが、根底にあるテーマは親子の絆という普遍的なものです。

変わり種の手法で普遍的なものを描いている……と思えば、それほど苦労せずに物語に入っていけるはずです。 あるいは、(オンライン)ゲームに対する印象が変わったり、はじめて知ることもあるかもしれません。

Good: 状況的に刺さる部分もあるテーマでした。

自分の境遇や状況が、本作の主人公のそれらと全くマッチしているというわけではないのですが、「何を考えているかよくわからない父親」というのは、まぁそう珍しくもないと思いますし……実のところ私も父親のことをあまり良く知らないです。

本作の親子関係のように顔を合わせてもほとんど会話がない……というほど親子関係がイマイチでは決してないのですが、ただ、自分から話題を振るということはほとんどないなぁと。 一体なんの話題を降っていいものやら、よくわからんのです。

それによって父がどう感じているのかもわかりませんし、表面上はそれほど孤独を感じているようには見えないのですが……それは本人でなければわかりません。

本当はもっと私と話をしたいのかもしれないし、今のままでもいいのかもしれないし……ただ、もっと話をしたほうがいいのかもしれないなぁとは思うわけです。 高齢でもありますからね。

と、そんなことを考えてしまうようなセリフや導入もあったりして、まだ本編が動き出す前から色々と父に思いを馳せる結果になっていた経緯もあり、あまり好まない国内ドラマではありましたが注目して見てみることにしました。

まぁ、実際のところはそれほど深みや感動があるわけでもないんですが、それでも、自分と重ねる部分もあって見入ってしまったりもして。 父と息子のぎこちない関係にやきもきしつつも、楽しくホッとできるような作りになっていました。

正直、邦画や邦ドラマの作りや演技の方向性は好きじゃないですし、本作における演技も邦画などにはありがちな感じではあったんですが、幸いシリアスな作品でもないので「まぁ、わかりやすいという意味ではいいか……」ってなもんで、それほど労せず受け入れられました。

そんなこんなで、まぁ見る人を選ばないというか、題材なりなんなりに興味があれば、尺や話数が少ないこともあって、気軽に楽しめるんではないかなと。

Bad: ただ、脚色部分に蛇足気味な要素がちらほら。

一応ブログ……というか実話を元にしているとはいっても、かなりの部分で脚色が含まれています。 そして、その脚色部分において蛇足に感じる部分があったのも事実。

概ね息子視点で描かれるものの、勤め人ゆえに四六時中ゲームをやっているわけではないので、自然と勤務先でのエピソードも多く入ってくるわけなんですが……そこで「このエピソードって、本当にいる?」というものがあったりするんです。

特に、ヒロイン的な同僚女性とのアレコレにおいて顕著で、いや、ソレいらねーだろっていうのが終盤ほど目につくようになります。

まぁ、洋の東西を問わず、映画だのなんだのに恋愛要素・ロマンスを入れたがるってのは、なんかもう不文律的に存在しちゃっているわけなんですが、本作も例に漏れずその要素をふんわり入れちゃったりしていて。

無論、主人公は鈍感設定ですし、そこがメインではないので本当に“ふんわり”なんですが、基本的になくても支障がない(むしろ不要感すらある)要素が入っていたのは少し残念なところです。

まぁ、間接的には全く不要というわけでもないですが、必然性は薄いかなと。

Good: 演出・描写・展開はわかりやすさ重視。 わかりやすいからこそ、イイ。

そんな本作の演出や描写、展開はかなりわかりやすい感じになっています。 伏線もいかにも「伏線ですよー!」ってなもんで、非常にわかりやすい。 でもそれが決して悪いものになっているわけではなくて、本作に限って言えば「それがいい、それでいい」のかなと。

この辺は演技の方向性(オーバーでわかりやすい感じ、悪く言えばクサい)とも相乗効果があって、変に頭を使わずに物語が頭に入ってきますし、別に難解なテーマでもないんでちょうどよかったのかなと。

ゲームに絡んだシーンでもゲーム画面のキャラ(=登場人物の操作キャラ)が、テキストチャットの文章をセリフとして喋らせているのもそのあたりが関係していそうです。

実際には自分のキャラは掛け声とかしか声を発しませんからね。 だからこそ、お父さんの操作キャラが、中の人……つまり大杉漣ヴォイスなのはなかなかシュールで面白いです。

原作ゲームのBGMなども効果的に使われていて、FF14プレイヤーだった身からすると「おー、ここでこの曲使うかー」ってなもんで、そういう意味でも楽しめたりしました。

まぁ、前述の通りかなり脚色が入っているので、実際のゲームプレイから乖離している一面もあるっちゃあるんですが……まぁ、そんなもんでしょう。 その点に関しては「実物と違う!」と不満には思いませんでした。

……と言いつつ、本作の影響でFF14を始める人が一定数いる(いた)と思うんですが、現実とのギャップに心が折れないかは心配なんですけどね。 良き仲間との出会いがありますように。

番外編: 本編と毛色が大きく異なるので注意。

本作には本編のほかに番外編が存在します。 これは、登場人物のひとり……主人公(息子)のゲーム内の友人にフォーカスしたいちエピソードなんですが、これがかなり本編と毛色が異なるなぁと。

本編は割と王道な作りですが、番外編は番外というだけあって、全体的なノリや進行・演出がアニメ的な印象を受けます。 ここで、普段アニメを見ない・アニメを好まない人は多少難があるかもしれません。

また、番外編ではゲームのプレイ映像がほぼ全編に渡って使われているため、余計にそう感じられるかもしれませんが……その点だけ、注意すべきかなと。

なお、冒頭の10分弱はFF14の成り立ちと、本編のダイジェストを渋く、あるいは、軽妙に説明するというもの。 成り立ち・背景はともかく、本編ダイジェストは必要だったのかは疑問が残ります。 結構長いし。

結論: それほど見る人を選びません。 気になる要素があるなら気楽にトライで。

色々とグダグダ書いてきましたが、全体的に見れば大まかな流れは王道でもあり、一方でゲームが題材ということでユニークな見せ方も楽しめるため、割と幅広い層が見ても楽しめる内容になっているんじゃないかなと。

というか、アレコレ細かくツッコむのも野暮というか、そんなに小難しくも高尚でもない(もちろんいい意味で)作品なんで、粗探しも無粋かなという気さえ。

非ゲーマーの人はこれを機に(オンライン)ゲームとはなんぞや、ということをほんのり知ることができるでしょうし、ゲーマーや経験者には身近なモノを扱ったメディアということで、普段は手を伸ばさない領域に手を伸ばすきっかけにもなるかもしれません。

父役の大杉漣氏も息子役の千葉雄大氏も、それぞれ魅力のある父・息子を演じております。 二人の、ちょっと変わった触れ合いを是非見てみてください。 心はしっかりと温まります。

MBS/TBSドラマイズム「光のお父さん」公式ウェブサイト

ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん 配信ページ (Netflix)



投稿者プロフィール

壬生狼
みぶろと読みます。 活動名は他にmiburo666・Lupus(ルプス)など。
ゲーム、音楽、映画などが趣味。 このブログではゲーム系記事を公開しています。
現在のアイコンはPSO2のマイキャラであるルナール。
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