常々遊びたいと思っていたのにも関わらず、発売日からしばらく経ってしまいましたが、ようやく購入と相成りましたPS4/Xboxone/PC「Dragon’s Dogma: Dark Arisen(ドラゴンズドグマ:ダークアリズン、以下カタカナ及び本作表記)」。
前世代機版をそれなりに遊んでいたのにも関わらず結構やり込みましたので、(今更ながら)プレイした感想と一部解説をしていきます。
一部ネタバレがあることと、長文であることにご注意ください。
※PS4版の内容です。
※プラチナトロフィー獲得済み。
- 概要: 前世代機版「ドラゴンズドグマ: ダークアリズン」に一部手を加えたリマスター版
- Bad:オープンワールドを謳いながらそこまで広くないのが問題
- ただし、ライトなオープンワールドとして考えればありなのかもしれない
- Good:キャラクターエディットから既に戦いは始まっている
- Good:ポーンシステムは相変わらず最高
- Good:ジョブやキャラ育成関連は幅があって◎
- Good:シンプル且つ爽快な戦闘はアクションゲームの中でも頭一つ抜きん出る
- 黒呪島について
- Bad:不満要素もちらほら散見される
- トロフィーコンプリートには時間がかかる
- タイムアタックモードについて軽く解説
- 結論:やっぱドグマって神ゲーだわ
概要: 前世代機版「ドラゴンズドグマ: ダークアリズン」に一部手を加えたリマスター版
「ドラゴンズドグマ」の歴史を振り返りますと、まず2012年5月にPS3/Xbox360向けに「ドラゴンズドグマ」がリリースされ、約1年後の2013年4月に完全版であるPS3/Xbox360/PC「ドラゴンズドグマ: ダークアリズン」がリリースされています。
「ドラゴンズドグマ」は剣と魔法とドラゴンといった、王道且つ正統派のファンタジー作品で、オープンワールドであるということも特徴のひとつ。
当時はオープンワールドというものが日本で浸透しているとは言い難く、カプコンが「国内で初めてオープンワールドに挑戦した作品」であったことも印象深いです。
そんな本作は、完全版である「ドラゴンズドグマ: ダークアリズン」のリマスター版になります。 対応ハードはPS4/Xboxone/PCですが、なんで今さらリマスターしたのかなと思ったら、無印発売からの5周年記念ということだそうですね(ちなみに本作は2017年10月発売)。
リマスター版なので追加要素はほとんどありません。 ただし一部変更が加えられており、以下の内容となっております。
- 一部のアイテムにホットキー(ショートカット)割当が可能。
- 刹那の永久石(ファストトラベルアイテム)が初周の序盤で手に入る。
- 新規トロフィーが追加。
他に目立った変更点はありません。
パフォーマンスについては、旧世代機版では720p/30fps可変でしたが、本作では1080p/30fps固定となっています。ドラゴンズドグマオンラインは60fps可変なのになんで本作は30fps固定なんや……
とは言え、旧世代機版は負荷がかかるとガックガクだったので、安定しただけでも良しとしましょう。
ストーリーの概要を書くのに手間取っていたら、Wikipediaさんがわかりやすく簡潔に書かれていたのでお任せします。
グランシス半島南東の漁村カサディス。突如、飛来した深紅のドラゴンの襲撃を受け村はパニックに陥る。兵士の落とした剣を手に取った主人公はドラゴンに戦いを挑むも、その圧倒的強さには全く歯が立たず、その爪を心臓に突き立てられる。ドラゴンはその心臓を文字通り奪い、飛び去って行った。絶命したかに思われた主人公はドラゴンに選ばれし者“覚者(かくしゃ)”として甦る。主人公は奪われた心臓を取り戻すため旅に出るのであった。
ストーリーに関してはサブストーリー含めツッコミどころが多く絶賛はできないですし、基本的に説明不足なので良くわかりません。 本作の魅力はストーリーではなく他にあると思っていますので、ストーリーには期待しないほうがいいでしょう。
Bad:オープンワールドを謳いながらそこまで広くないのが問題
まぁこれは当時から散々言われていたことですが、改めてプレイしてみると、やはり一通りマップを踏破しても物足りなさがあります。
各地に小さな拠点はあるものの、本拠点とできるようなまともな街がひとつしかなく、何をするにしても基本的にその街を経由してからになります。
オープンワールドというと、比較対象に上がってくるのはやはり「The Elder Scrolls」シリーズや、「Fallout」シリーズと言った世界的に有名な作品になってくると思いますが、これらの作品のマップと本作を比較すると、本作に関してはマップは小さいしスカスカだしでまるで相手になりません。
また、移動手段についても初代ドラゴンズドグマに比べ、本作である程度マシになってはいますが、それでも不便に思う場面が出てきます。 ファンタジー作品とは言え馬もなければ空も飛べないので、ピンポイントであそこに行きたい!と思ったときに、徒歩及びダッシュで行かなければなりません。
ただマップが小さいため、ゲームの仕様を理解できてくると、致命的に面倒という場面は少なくなります。 こんな形でデメリットが生きるのも変な話ではあるんですけどね。
ある程度物語を進めると、少しずつ「戻りの礎」というファストトラベル用のアイテムを入手できるようになります。
これを任意の場所に設置し「刹那の飛石」というアイテムを使うことで、「戻りの礎」を設置した場所に瞬時に移動することができるようになります。
初代ドラゴンズドグマでは、戻りの礎はひとつしか入手できなかったのですが(うろ覚え)、ダークアリズンからは1周で4つ入手することができます。
さらに、前述のとおり本作は「刹那の永久石(刹那の飛石の無限に使える版)」を序盤で入手できるので、お金を気にせずに飛び放題になるわけです。
つまり「戻りの礎」を各地に設置することで、ある程度移動は楽にすることができます。 ……が、戻りの礎は10箇所しか設置することができないので不便に思う場面が出てきますし、そもそものマップや密度の小ささは残念としか言いようがありません。
ただし、ライトなオープンワールドとして考えればありなのかもしれない
本作は確かにマップは小さいのですが、だからこそ、オープンワールドに無関心な方もこれを入口にできるのではないかなとも思うわけです。
マップや密度が小さいと言いつつも、やることやれることはたくさんありますし、密度に関しても街や拠点が少ないだけで探索できる場所や採集場所自体はある程度用意されています。
またオープンワールドの魅力のひとつである景色に関しても悪いものではなく、最低限のツボは押さえているように感じます。 視覚的に似たような場所が多いですが……。
マップの作り込みに関しては有名所の作品には敵いませんが、この規模だからこその手軽さ、ライトさがあるとも思っています。 尤も、メーカー自らが自信満々にオープンワールドを前面に出していたことが悪評の大きな要因であって、期待させておいて蓋を開けてみたらスカスカであったということが問題なのだと思います。
とは言え、ただただ広いだけのマップを走らされるよりは俄然マシですし、確かにマップ踏破時に物足りなさはありましたが、ダークアリズンで追加された「黒呪島」がそれをある程度補ってくれます。 「黒呪島」については後述しますが、こちらも探索しがいのあるとても面白いダンジョンになっています。
無論、オープンワールドのゲームに何を求めるかで意見は変わってきますが、オープンワールドにちょっと興味があるけど手が出せないという方には、ぜひとも遊んでみてほしい作品です。
Good:キャラクターエディットから既に戦いは始まっている
本作の大きな魅力のひとつとして、覚者(主人公)の顔や身体を自由に作成することができます。 自分で作ったキャラを自由に動かして自由に育成できるので、自然とモチベーションも上がるというものです。
このキャラクターエディットですが、ここで設定した体格によってプレイ時の一部ステータスが変化します。 ここで影響するのは「体格(体重)」です。
簡単に言いますと、体格が小さければ移動速度やスタミナ回復が速くなるなどのメリットがありますが、所持重量(アイテムを持てる量)が小さくなるなどのデメリットがあります。
一方で体格が大きいと、体格が小さい場合の逆の現象が起こるわけです。 この他に、体格はスタミナ消費量や武器のリーチに影響がありますが、詳しくは攻略wikiで。
このシステムは非常に迷います。 女性覚者の場合、可愛く(綺麗に)作ったとしても、所持重量を大きくしたい場合には体格を大きく作らないとダメなわけです。
所持重量は本作において非常に重要な役割を持ち、これが大きいと荷物をたくさん持っても素早く行動することができる=長く探索することができることになります。
荷物を持ちすぎて身体が重たい状態になると、ダッシュ動作が遅くなるなどの大きなデメリットがあるので、所持重量は大きいに越したことはないわけです。
とは言え、前述のとおり体格を大きくしてもデメリットはあるので、最終的には顔も身体も自分の作りたい覚者を作成することが一番幸せだと思います。
その上で、体格が小さくなろうと大きくなろうとメリットデメリットを受け入れて、自分の分身を愛でればいいだけのことです。
もちろん、キャラの顔や体格などどうでもいい!という方は、自分の好みのステータスを目標にエディットするといいでしょう。
ただし入念に顔を作り込んでも、実際のゲーム画面では劣化してしまう点には注意が必要です。
Good:ポーンシステムは相変わらず最高
こちらも本作の大きな魅力のひとつで、ポーンをひとり作成することが出来ます。 このポーンは覚者の専属従者で、常に主人公と行動を共にし、戦闘や探索を手伝ってくれます。
ポーンは性格を設定することができ、戦闘重視なのか探索重視なのか、細かい設定ではどのような敵から狙うのかなど、実用的な性格を持たせることができます。
とは言え所詮はCPUなので、自分の思うように行動してくれないことも多々ありますが、やはり常に行動を共にすると愛着が湧いてしまって、かわいく見えてしまうのです。
ポーンはクエストのヒントを始め、地形の説明や雑談など、いろいろと話しかけてくれます。 覚者はゲームの設定上、無言体質なので全スルーなのですが、それでもめげずに話しかけてくれます。 かわいい(´・ω・`)
PT構成は最大4人となっていて、覚者と自分のポーン(メインポーン)、そして他プレイヤーのポーン(サポートポーン)2人の計4人です。
本作は非同期のオンラインシステムを搭載していて、他のプレイヤーと共闘することはできませんが、他のプレイヤーのメインポーンを借りることが可能です。 ポーンを借りるためには基本的に「リム」と呼ばれる石に触れる必要があるのですが、フィールドや街にも主人公と凡そ同レベルのポーンが徘徊しており、話しかけるとその場でサポートポーンをレンタルすることが可能です。
なお、オフラインでは上記のようなシステムを利用できませんが、予めオフライン用のポーンが用意されておりますので、サポートポーンで困ることはありません。 ただし、性能で言えばオンラインより優れているとは言い難く、スキルやアビリティもテキトーなものを装備させている印象が強いので、純粋に性能にこだわるのであれば、オンラインのポーンを雇うことを推奨します。
また、注意すべき点としてポーンのロストがあります。 ポーンは基本的に戦闘不能になるとダウン状態となり、覚者が助け起こすことですぐに戦闘に復帰することができるのですが、ダウン状態で長時間放置しておくとその場からいなくなりロストします。
ロストした場合、メインポーンはリムに触れることですぐ戻ってきますが、サポートポーンはまた雇い直しになるので、持ち物を持たせていた場合は再び持たせなければならなく地味に面倒くさいです(持たせていたアイテムは倉庫に移されるので、ロスト自体にデメリットはない)。
また、ポーンは戦闘中だけでなく、覚者が移動不可能な崖下や海などに落ちることでもロストするので、探索の際は注意が必要です。 まぁ、ダッシュで付いてきて勢い余って崖にジャンプ落下していくポーンもかわいいんですけどね。
逆に言えば諸事情でポーンが邪魔になった場合、上記の手段を取れば(ポーンを抱えて崖下や海に投げれば)ロストさせられます。 私は完全に感情移入しちゃっているので、絶対にそんなことはできませんが。
ポーンに関しては他にもたくさん説明するべき項目があるのですが、これ以上書くと字数が大変なことになるので割愛します。 それほど奥の深いシステムなのですが、とりあえずポーンがかわいいということさえ押さえておけばOKです。
Good:ジョブやキャラ育成関連は幅があって◎
キャラクターを育成する上で最も重要となる要素がジョブです。 ジョブは強力なスキルやアビリティを習得できるだけでなく、レベルアップ時のジョブによりステータス上昇値が変わってきます。
ステータスを物理攻撃特化型にするのか、あるいは魔力攻撃特化にするのか、バランス型にするのか……など、キャラビルドに幅があり、良い意味で悩めるのが◎。
ストーリー開始時はファイター、ストライダー、メイジの3職(基本職)からしか選べませんが、ストーリーをある程度進め、レベルが10に達すると、覚者は様々なジョブに変更することができます。
基本的にどのジョブ、ビルドでもクリア自体はできるようになっています。 ですが、ビルド次第では敵によって苦戦したり長期戦になってしまう可能性があることも事実です。
ジョブには基本的にメイン武器とサブ武器があり、上級職以上は複数の武器種を持つこともできるようになります。 また、各ジョブはアビリティ(装備していれば常に発動するパッシブ能力)を習得でき、一度習得すればジョブを変更しても設定できるので、必要に応じて他ジョブを育成するのもいいでしょう。
私見ですが簡単にジョブの特徴を説明していきます。 長文なので折りたたみます。
前述のとおり、攻略は基本的にどのジョブでも大丈夫です。 ただし、ステータスにとことんこだわりたい人はある程度ジョブを絞り込まないとなりません。
物理攻撃特化ならアサシンですし、魔法攻撃特化ならソーサラーなど、場合によってはやりたくないジョブもやる必要が出てきます。
例えば、魔法攻撃に特化したマジックアーチャーであれば、ひたすらソーサラーでレベル上げをして魔法攻撃力を上げた後に、マジックアーチャーに転職するという流れがステータス的に理想となるわけです。
ただし、これはあくまでステータスにとことんこだわった例であり、本作は基本的に装備ゲーであるため、よっぽど変なビルドさえしなければ装備やスキルである程度フォローできます。
個人的に、ジョブはメインとサブで2つ用意するのが理想だと思います。 というのも、局所的ではありますがひとつのジョブでは攻略が難しい場面が出てくるからです。
ファイターやミスティックナイトでは空中への物理攻撃が困難ですし、ソーサラーやマジックアーチャーは空中への攻撃は可能ですが魔法攻撃となるため、物理攻撃しか効かない敵には苦戦します。
物理攻撃が一切通用しない敵もおり、これに対してはファイターやアサシン、ストライダーなどは苦戦を強いられます。
そういったモブは別途攻略法は一応あるのですが、面倒くさいのは間違いないので、やはりある程度ジョブを使い分けられるといいと思います。
まぁ、そのモブのためだけにいちいちジョブを変更する方が面倒くさいというのも尤もな話なので、そこはポーンに任せたり、スルーして逃げるのも大いにありでしょう。
また、前述のとおりアビリティは一度修得すればどのジョブでも使えるので、それを目的にいろいろとジョブを触ってみると、各ジョブのメリットデメリットを把握できて良いと思います。
参考程度ですが、私のビルドはレベル80程度までファイターやウォリアーで進め、HPと物攻物防をある程度確保した後に、アサシンで物理攻撃特化で進めました。
こうすることで、アサシンの欠点である低HPと低物防をフォローしつつ、そこそこの火力を確保した形となります。 物理攻撃が効かないモブが出現したときは、魔法攻撃ができるアイテムがあるのでそれを使って凌いでいますが、時間がかかります。
Good:シンプル且つ爽快な戦闘はアクションゲームの中でも頭一つ抜きん出る
操作は直感的に動作するものが多く簡単でありながら、爽快感や達成感を味わえるこの感覚は、本作で最も評価すべき点であり、他作品と比較しても優れている点と言えるでしょう。
戦闘の特徴として敵にしがみ付くことができ、頭部が弱点であれば頭部までよじ登って斬りつけるという戦法が取れます。 近接ジョブにはしがみ付き専用スキルが用意されているジョブもあるので、それを使えばゴリゴリ体力を削ることができ爽快感があります。
基本的にどのモブも弱点属性及び弱点部位を持っているので、如何にして効率的に弱点を突くのか……というアクションゲームならではの楽しさが詰め込まれています。
メーカーが同じこともあってか、面白さを感じる点がモンハンと共通する部分もありますが、本作はよりスピーディなので、モンハンのもっさり感が合わない人でも楽しめると思います。
ポーンも最初こそ役立たずですが、一緒にいろいろな敵と戦うことで敵ごとの戦術を習得し、より有効な攻撃手段をとってくれるようになります。
逆にいまいち攻略法がわからないモブの情報を、雇ったポーンが修得している場合があるので、ときにはポーンの声に耳を傾けるのもいいかもしれません。
あとなんと言ってもBGMの演出が素晴らしい。 基本的に大型モブ限定の演出になりますが、敵の体勢を崩したり、敵の持つギミックを攻略して優勢に立った場合に流れるBGM「死闘の果てに」が最高にCOOLで失禁せざるを得ません。
自分がある程度強くなると、大型ボスに苦戦することもほとんどなくなるのでBGMの存在感が薄くなりますが、強敵と遭遇し、生きるか死ぬかの文字通り死闘を繰り広げているときに上記BGMが流れると、滾ること間違いなしです。
戦闘中にBGMが変化するのって良いですよね。 メーカーは別ですが、アトリエシリーズやライトさんリターンズFF13にもこういったBGM演出があって好きでした。
黒呪島について
黒呪島はドラゴンズドグマダークアリズンで追加された高難易度ダンジョンで、グランシス半島が舞台となるストーリー本編から独立した舞台です。 ストーリー本編とは別個のストーリーが展開されますが、本編と打って変わってわかりやすく(黒呪島の)ラスボスでの演出も素晴らしいものになっています。
黒呪島へ行くことができるようになるのは、自分のポーンを作成して仲間にした段階、つまり最序盤ですぐに行くことができるようになります。 しかし黒呪島は高難易度のため、最序盤のレベル帯で行っても敵に瞬殺されて終わります。
したがって、1周目で黒呪島へ行く場合はストーリーを終盤まで進め、装備をある程度整えた上でレベル的には80~100の段階で突入するのがいいでしょう。
レベル帯に幅があるのは、人によってプレイスキルや装備品に差があるからで、よっぽど自信のある人は序盤で突撃してもいいでしょうし、自信がない人はもっとレベルを上げてからでもいいと思います。
ただ、ストーリー本編で手に入る装備より黒呪島で手に入る装備品の方が桁違いに強いので、本編で装備品を集めるよりは、ある程度準備をしたらすぐ黒呪島へ行くことをおすすめします。 もちろん敵は強いですが、取得経験値も多くレベルを上げやすいですし、歯ごたえもあって楽しめるはずです。
装備品は通常通り現物で手に入るものもあれば、呪われた状態で発見されるものもあって、これはいわゆる鑑定品になります。 黒呪島は、グランシス半島のような広い大地の中にダンジョンがあるようなマップではなく、ひたすら深く薄暗いダンジョンに潜っていくイメージです。 このダンジョンは複層的に入り組んでいて、探索しがいのある構造となっています。
その探索の中で時たま手に入るのが鑑定装備であって、たくさん集めて所持重量が厳しくなったら一旦拠点に戻って鑑定し、ほくほく顔で装備品を吟味したら、またダンジョンに潜る。 これが黒呪島での基本的なサイクルになると思います。
このハクスラ的な要素は本作のゲームシステムと意外にマッチしていて、続編があるならこれをベースにしてほしいと思うくらいには楽しめます。 欲を言うのであれば、鑑定品の種類をもう少し増やしてほしかったというのが正直なところですが、あくまで追加要素であるので仕方ないのかなとも思います。
ある程度探索を進めていくと、途中で休憩所(回復やアイテム整理が可能)や拠点へのショートカットが開放されるのも◎。 所持重量も体力もやばいけど戻りたくない……と思った矢先に上記施設があるので、マップデザインも良くできていると言えるでしょう。
また、黒呪島では本編にはない「乱入」という要素があって、黒呪島内の敵を倒すと死体は原型を留めず、グロい形で痕跡が残ります。
これはすぐに消えることがなく、この痕跡を残したまま時間が経過すると、新たな敵が臭いに釣られて(という設定)襲ってきます。 これを「乱入」と言うのですが、出現までの時間はランダムなのでこれがまた緊張感のあるものとなっており、ただでさえ強敵に囲まれることの多い黒呪島でこの「乱入」が起きると、一気に絶望的な状況に追い込まれることもあります。
ただし、黒呪島で逃げられない戦闘は基本的にラスボスくらいなので、戦況が芳しくない場合は潔く逃げるのも戦術のひとつです。 黒呪島に関わらず、厳しいときは逃げたっていいのです。 オンラインゲームじゃあるまいし。
ともあれ、黒呪島は追加コンテンツ(PS4版では最初から含まれておりますが)としてはかなりのボリュームで満足できる内容になっています。 やり込む場合は黒呪島の住人になるはずなので、ぜひとも楽しんでください。
Bad:不満要素もちらほら散見される
あくまでリマスターなので、基本的に旧世代機版の不満要素そのままとも言えます。
- 武器切替のテンポが悪い
ファイターやソーサラー、ウォリアーのようにメイン武器とサブ武器に選択肢がないジョブはともかく、アサシンやミスティックナイトなど、武器に選択肢があるジョブで武器を切り替える際は、いちいちメニューを開いて装備し直さなければなりません。 理想はソウルシリーズのように、ワンタッチで武器を切り替えられればさらにテンポのある戦闘が繰り広げられるでしょう。
- マップを開くのもテンポが悪い
こういうゲームはマップを開くことが攻略する上での重要な要素になると思うのですが、これもメニューを開いてからマップ画面を開くというテンポの悪さ。 実際にマップは何度も開くことになるので、これは上記の武器切替えより優先的にワンタッチ操作できるようにしてほしかったです。
- スキル枠の少なさ
ジョブ毎にたくさんのスキルが用意されているのに、メイン武器とサブ武器でそれぞれ3つしかセットできないという窮屈さ。 ボタン数的に厳しいのも理解できるのですが、ここはなんとかしてほしかったですね。
- しがみつき時のカメラアングル及び操作性
近接ジョブが大型モブの弱点部位を攻撃するには、基本的にしがみついて攻撃するのがセオリーになるのですが、このときのカメラアングルと操作性が非常に悪いです。 特にドラゴン系との戦闘での挙動が顕著で、自分がどこにいるのか、スティックをどこに倒せば行きたい場所に行けるのかがわかりにくく、ストレスを感じることもしばしば。
- ドロップ素材の消失
これは仕様なのかバグなのかわかりませんが、時折敵を倒したときのドロップ素材が消えてなくなる現象が見受けられました。 敵を倒して確かに素材が床に落ちているのを確認したのに、拾いに行ったら消えてなくなっているという謎現象。 鳥系の雑魚モブに多い現象でした。
細かい部分で言えばまだあるのですが、大した話ではないので省略します。 もし次回作があるのであれば、これらを考慮した形でリリースしてほしいですね。
トロフィーコンプリートには時間がかかる
余談ではありますが、トロフィーに関して解説していきます。 まず、PS3版「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」のトロフィーとは別トロフィーになります。
基本的に寄り道しながらストーリー本編をクリアすれば、トロフィーの大半は楽に獲得できます。 しかし、コンプリートを狙うとなると一気に難易度が上がります。
難易度が上がるというと語弊があるかもしれませんが、PS3版と比較すると黒呪島関連のトロフィーや新たなトロフィーが追加されており、その内容が重たいものばかりなので、かなりの時間を要します。
時間を要したり、注意が必要なトロフィーは以下のとおり。
- 救世主:全てのクエストをクリアした
- 名雇用人:ポーンをたくさん雇った
- もう一つの姿:2周目をクリアした
- 死を出し抜く:黒呪島でデスを倒した(PS4版での追加トロフィー)
- 真の覇王:ダイモーンの真の姿を倒した(PS4版での追加トロフィー)
- 鍛え抜かれた戦士:ハードモードでゲームをクリアした(PS4版での追加トロフィー)
- 200:レベル200に到達した(PS4版での追加トロフィー)
- スプリンター:タイムアタックモードでゲームをクリアしました。(PS4版での追加トロフィー)
なんでスプリンターだけ敬語なのでしょう? それはさておき、順に解説しますが、長文になるので見たい方だけご覧ください。
PS3版は2周クリアするだけでトロコンできただけに、PS4版はかなりやり込ませに来ていますね。
逆に言うと、トロコンすれば本作のほとんどの要素を網羅できることになりますので、やり込み感や達成感を強く味わえると思います。 黒呪島に関してはハクスラ要素がありますので、全ての武器を集めたいという方はさらにしゃぶり尽くすことになるでしょう。
トロフィーコンプの時間ですが、100時間は超えると思います。 前世代機版プレイ済みの私でも110時間くらいでプラチナトロフィー獲得となりました。
タイムアタックモードについて軽く解説
実際にプレイして思ったことなどを解説します。
まず、最初からタイムアタックモードに挑戦するのはアイテム的にもレベル的にも知識的にも無謀過ぎるので、やることやりたいことを全て終わらせてから挑戦するといいでしょう。
タイムアタックモードは挑戦時のセーブデータの情報を引き継ぐので、トロフィーを目的として挑戦する場合、このトロフィーを最後に獲得するように進めると必然的にある程度の準備も整います。
タイムアタックモードに挑戦する上で用意してあるといいもの
- 攻略順序の知識
- 戻りの礎(ストーリーを進める上で必ず行かなければならない場所に設置)
- 代謝の宝珠(牛回復アイテム)
- 会心の矢(ドラゴン戦で使用)
- 体力及びスタミナ回復アイテム
- 強い装備品
- 爆裂の矢(グリフィン討伐時に使用)
- 刹那の永久石、あるいは大量の刹那の飛石
- 竜の鼓動を20個以上
- 竜王の指輪
これらを用意しておくとあっという間にクリアすることができますが、制限時間はなく、あくまで自分との勝負になるので、特に急がない場合はゆったり攻略するのもありだと思います。
しかし、タイムアタックモード中に獲得したアイテムや経験値、お金などは一切引き継がれないので、サブクエストや探索はするだけ無駄になります。 ひたすらクリアに必要な行程を辿り、自分なりの最短でクリアを目指すといいでしょう。
以下、タイムアタックモードでのコツ、小ネタ(ネタバレあり)
基本的にメニュー画面や会話中はタイムがストップするので焦る必要はないです。 ですが、RTAに挑戦する場合はこの限りではないので、所持品や倉庫のアイテム配置とかも重要になってくるでしょう。
ちなみに私はタイムアタックモードに挑戦する前に3周し、ある程度の攻略知識と装備品などを整えて、27分ちょっとでした。
詰めるところを詰めればおそらく25分は切れますが、これ以上詰めるとなるとあとはプレイヤースキルの話になってくると思いますので、好タイムを目指す方は徹底的に準備することになるでしょう。
ところで最速記録って何分なんでしょうね。
結論:やっぱドグマって神ゲーだわ
と言うとちょっと大げさになってしまいますが、プレイ時間が100時間を超えてもなお楽しめたし、まだ他のジョブやビルドで遊びたいと思わせるゲームです。
シンプルな操作でありながら奥の深い戦闘と、それを彩るBGM、幅の広いキャラビルドと数々のジョブ。 アクションRPGとしては抜群の出来栄えです。
確かにオープンワールドとしては物足りない部分もありますが、戦闘やキャラ育成である程度フォローしているので、遊ぼうと思えばいろんな武器やキャラビルドで遊ぶことができます。 もちろん同じマップでの攻略になるので、途中で飽きるかもしれませんが……。
あとはやっぱりアバター(主人公)とポーンの存在ですよね。 自分で作ることができるので愛着湧きまくりです。 改めて思い返してみると、私はなんだかんだこういったアバターを作成して遊ぶゲームが好みのようで、やはり見た目重視で装備を選んだり、無口な主人公に感情移入するのが性に合ってるのでしょうかね。
とは言えもちろん不満点もあるので、もし次回作があるのであればブラッシュアップしてリリースしてほしいです。 ただ、揺さぶりオンライン(ドラゴンズドグマオンライン、以下DDON)があるので、もう続編はないのかなぁ……。
今回改めて本作を遊んで、やはりオフラインのドグマの方が面白いということを再認識できました。 無論、DDONもゲーム自体はそこまで変な出来栄えではないのですが、一部仕様に致命的な欠陥(不具合ではなく私が合わないだけ)があることや、課金面でもあまり印象が良くなく、早い段階で距離を置いてしまいました。
もうDDONのサービスは終了していただいて結構なので、DDONに割くリソースをドグマの正統続編製作に投入してほしいですね。 カプコンさん、ぜひともお待ちしております。
最後になりますが、無印である初代「ドラゴンズドグマ」よりは俄然遊びやすく、ユーザビリティに配慮された箇所もありますので、無印を遊んだけど途中でやめたという方や、あるいはまだ遊んだことのないという方がおりましたら、気が向いたときにでも手にとってみてほしい作品です。
おまけを貼って終わります。 長文失礼しました。
ドラゴンズドグマ:ダークアリズン - PS4
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