「この素晴らしい世界に祝福を!~希望の迷宮と集いし冒険者たち~」物足りなく、片手落ちという印象。

この素晴らしい世界に祝福を! ~希望の迷宮と集いし冒険者たち~ イメージ PS4
メディアミックス作品としてもRPGとしても色々と物足りない……。

クリア自体はさっくりとしていたんですが、季節柄か? MPすっからかんって感じで無気力状態だったんですが、やっとこさ本作を記事に……。

と、思ったんですが、今日も今日とて首いてーなと惰眠を貪ってる間に友人が記事にしたようです。

この素晴らしい世界に祝福を! ~希望の迷宮と集いし冒険者たち~のお話|紫|note
評価:★★★☆☆ プレイ時間:20時間 全体的に、このすばという作品を元にできるだけ忠実にRPGを作ろう!という意気込みは感じられるものの、技術力か予算か納期あたりが不足しているのではという印象と、脚本も原作の面白さを活かしきれてはいなかったかなぁと。 というかこれが最大の問題ですが、端的に言っ...

自分が「書きたいな」と思っていたことのほぼ全てが、この記事に簡潔に・わかりやすく・ユーモアも交えつつ書かれているので、これから書く私の記事なんぞを長時間かけて読むよりは、上記記事を読んだほうが時間を節約しつつ必要十分な情報が得られると思います。

なので、以下は自己満足のために書くようなもんです。 はい。

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概要: このすばを原作とした3DダンジョンRPG

ではまず公式のプレイ動画でも。

『この素晴らしい世界に祝福を!~希望の迷宮と集いし冒険者たち~』プレイムービー「ゆんゆん加入からダンジョン探索へ」

本作のストーリーは以下(面倒なので公式マニュアルから引用)。

ストーリー

まぁ、そういうことです。 時系列的には2期(+OVA)終了後のどこかの時点ですかね。

本作に興味を持つ人はほとんどが「このすば」のファンなり何なりだと思うので、「このすば」についての説明は省略します。 もし「このすば」を知らない(&単に3DダンジョンRPGファン)というのなら、手を出さないほうが……というのがクイックレビューですかね。

さて、私の「このすば」練度ですが、めっちゃ低いです。 ↑のように書いていながら、本作の発表時にちょうどこの手の3DダンジョンRPG・ダンジョンクロウル熱が上がりまくっていたということもあり、ゲーム発売に向けてアニメを見てみたら予想外に楽しめた……というような塩梅で、ファンと自称するのもはばかられるレベルです。 原作小説も現時点で未着手です。

なので、本作の設定周り・システム周りの原作再現度がどうこう……というのは、正直よくはわかりません。

というか、その程度の人がこれを書いているんだ、という認識で読んでいただければ幸いです。

ただ、ノリはアニメで描かれていたものを継承していて、お約束はちゃんと押さえてあったであろうことと、ゲーム上の都合でキャラやその性能を改変したりはそれほどなかったんじゃないかなとは思います。

Good: 絶賛するほどではないけど、原作(というかアニメ)の雰囲気は出ている。

基本的に本作は記事タイトルのように物足りない・片手落ち感が強いんですが、本編を進める上でのノリはアニメで見られたノリを違和感ないレベルで継承していて、キャラゲー・ファン向け作品としての最低限のラインは確保できているかなと。

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顔芸。

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駄女神。

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中級者殺し!

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うむ! よく彼我の戦力分析ができているな!

ただ、それらは“最低限のライン”なのであって、例えばゲームならではの味わいのあるエピソードがあるとか、キャラの描写・理解が深まるとか……というメディアミックスならではの魅力には及んでいない印象でした。

ストーリーや、その道中でのやりとり、できごとなどは、本編のエピソードに紛れていても違和感はなさそうな雰囲気です。 そういう意味では、大きく破綻などが生じているわけではなかったと言えましょう。

しかしながら、本作のそれは決して1クールを使って描けるようなレベルではなく、あくまでも1エピソードというか……いわば、(別段出来が良いわけではない)OVAオリジナルエピソード程度というか。 悪くはないけど、サムズアップできるかというと……? うーん? みたいな塩梅です。

ともあれ、雰囲気は出ています。 過剰に期待しなければ、お約束も含まれますので、受け入れやすいのではないかなと。

Good: ポンコツパーティーをポンコツに再現したのは英断。

ご存知カズマのパーティーはポンコツ揃いです。 いや、特化型・個性派揃いというかなんというか……ともかく、そういうアクやクセを恐れずにゲームに落とし込んだのは良かったんじゃないでしょうか。

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最大5人パーティーでダンジョンに挑むことになります。 後述しますが、編成の自由度は低め。

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原作などでも描かれたダンジョン・敵を中心に登場。 システム自体は比較的オーソドックスでクラシカルなものという感じ。

例えばアクアはアンデッドに狙われまくるし、ダクネスの攻撃は“ちゃんと”全く当たらないし、めぐみんは爆裂魔法を撃てば何もできなくなるし。 カズマも正直、器用貧乏で決して単体では強くはない。

プレイしていると、その絶妙な使いにくさをとてもよく体感できて、事あるごとにげんなりしていたカズマの気持ちも、実感を伴って共感できるようになるでしょう。 その意味で、あえて使い勝手の上方修正をしなかったのは正解だと思います。 使いにくいけど。

そんでもって、ゆんゆんやミツルギといった連中のほうが基本的な戦闘スペックは高いというのも、いい塩梅になっているんじゃないかなと。

ただ当然、カズマパーティーはポンコツではありますが、ある一芸に秀でたメンツが揃っているのも事実ですよね。

アクアは中身はともかく、アークプリーストらしく対アンデッドやヒール行動に関しては優秀です(というかヒーラー枠が他にほぼいないんですが)。 ダクネスも攻撃がからっきしの代わりに、他キャラの追随を全く許さないレベルのタフネスを誇っていますし、めぐみんの爆裂魔法はまさに必殺級の威力。

彼らの能力や技能を把握し、ここぞで使って切り抜ける……というのは、これまでも描かれてきたこと。 そこらへんは本作でも変わっておらず、どうやって道中を切り抜けるか? 運用していくか? っていうのが遊びとなっていますね。

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爆裂魔法の威力は熟練度によって威力が増していきます(要スキル)。

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どんどん強く……。

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どんどん強く……!

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もちろん熟練度のチェックはカズマの役割です。

ただまぁ、そのおかげで攻略上はメンバー入れ替えもして、自由に編成したいと思う人もいることでしょう。 しかし、本作はその余地をさほど残してくれていません。

というのも、メインストーリー進行にはカズマ・アクア・めぐみん・ダクネスがPT加入必須。 PTは5枠なので、1枠しか自由枠がないことになります。 サイドクエスト攻略時は、サイドクエストに必要な人員1~2名程度が指定されますが、それ以外は自由です。 ただし、どの場合においてもカズマは外せません(編成時に常時ロックされています)。

戦力的にはカズマを抜いてミツルギやウィズ、クリスあたりを入れたいなぁと思うことがしばしばありましたが、まぁ、演出や展開の絡みもあってそうもいかず。 なんなら伝統に則って6人PTでもよかったんじゃ……と思ったりなんだり。

ちなみに、5人目に誰を入れた状態であっても、メインストーリー進行中にちゃんと全員分かけあいがあるっぽい(ゆんゆんを入れたらゆんゆんと、ウィズを入れたらウィズと……みたいな)のは好印象です。

割とそういう仕様の場合、自由枠の扱いはぞんざいというか触れられないケースのほうが多いのですが、本作ではちゃんと仲間として扱っているなぁと。 人数が少ないからかもしれませんが、そうであっても(他作品では)無視されることも多いんですよね。

この辺のキャラを大切にした代償に、自由枠が1つなのかもしれませんね。 それなら仕方がない。

ともあれ、これまで作品の中の登場人物という距離感だった彼らが、ほんの少しだけ、実感とともに身近に感じられたかな、という感じです。

Bad: RPGとしても雑だったり物足りなかったり。

すでにストーリーが“悪くはないが、さほどのもんでもない”と書きました。 言い換えれば、メディアミックス作品として「このすば」を毀損はしないものの深めることもなかった、でしょうか。

であるならば、せめてRPGとして遊べればよかったんですが、残念ながら本作をRPGとして見た場合も雑だなぁ……物足りないなぁ……という印象です。

大雑把に箇条書きにすれば、以下のようになっています。

  • バランス調整が大味・雑。
  • ダンジョン攻略が楽しくない=ダンジョン周りの作り・仕様が雑。
  • 現代RPGとして必要な情報が開示されていないため煩雑。
  • ひととおり遊んでもボリューム感が不足。
  • 採れる行動・戦術の幅が狭いし、変化もない。

ひとつひとつもう少し詳しく書いていきます。

「バランス調整が大味・雑」: まぁ、「このすば」をゲーム(RPG)に落とし込むのがそもそも難しい題材であった、のかもしれません。

最初に書いておくと、本作は決してクリアできないようなバランス崩壊を起こしていたりするわけではなく、普通にプレイ・クリアが可能です。 レベルも上がりやすいので、難易度も高いわけではないでしょう。

しかし、それはそうとしても、バランスは取れているとは言えないでしょう。

というのも、ダメージがインフレしてくる中盤あたりで、敵の攻撃力に対してこちらの耐久度(HP及び防御力)が、とりわけ後衛がさっぱり追いついてこないんですよね。 後衛は耐久度に難があるのは常ですが、にしても……というか。

これにはいくつかの要因が重なっているためと思われます。

  • 装備更新による耐久度上昇措置が取りにくい。
  • ダクネスを軸に敵の攻撃力を調整してはいないか?
  • 隊列・並び順の概念がない。
  • ヘイトの概念、及び、コントロール周りが機能不全気味に感じる。

まず、本作はアイテム・装備の種類が非常に少ないです。 キャラごとに装備可否は当然あります(めぐみんは剣を装備できない、とか)が、その割には種類が少ないなぁと。

ゲーム開始時点というのが、時系列的に2期の終了後となると、登場キャラたちはある程度の経験を経ており、装備やスキルも獲得していることになりますよね。 よって、本作でもゲームスタート時から様々なスキルや装備を所持した状態で、本編が始まります。

よって伸びしろが少ない……というのもあるんでしょうけど、それにしたって、1キャラあたり装備可能な武器・防具の種類が2~3種類程度って少なすぎじゃありません?

一応、それでも問題ない(レベルアップによる成長のほうが影響度大)んですけど、当然、後衛職って防御面の伸びって期待できないじゃないですか。 そこを最低限補うのが防具なんですけど……種類が少ないので、装備更新で備える、っていうことができません。

次に、プレイした肌感覚では、中盤以降からは特に、ダクネスの耐久度を軸にして敵の攻撃力を調整してない? という疑念が。

すでにご承知であろう通り、ダクネスは非常にタフです。 HPも物防も高いし、スキルでHPリジェネ(自動回復)も覚えます。 ボス戦で周りが1,2発で突っ伏しても、自分はピンピンしている……なんてことも珍しくありません。

これ自体はキャラの特徴をゲームに落とし込んでいていいと思うんですが……“ゲームとしては彼女も倒れかねない引き締め方にせねばならない”と思ってしまったのでしょうか、中盤以降は彼女でもなかなか痛いと言える攻撃が飛んでくるようになります。

問題は、そもそものダクネスのタフさが、他キャラと比べて差をつけすぎたところにあるのかな? と。

ダクネスですらなかなか痛い攻撃。 そんな攻撃をめぐみんやゆんゆんが耐えられると思いますか?

答えはNO。 先制攻撃でもされようものなら、対策を取る前に一撃死です。 デスペナルティもないですし、一旦出直せばいいんですが、先制されるたびに一撃で死ぬんで、そのたびに街へ帰る必要があるとなるとめんどくさいです。

で、これに絡んでくるのが「隊列・並び順の概念がない」のと「ヘイト周りの仕様がイマイチ」な2点。

本作には前後列という隊列の概念がなければ、「先頭にいるキャラほど狙われやすい」という並び順の概念もありません。 なので、どこに組み入れようとフルダメージの物理攻撃が飛んでくることになります。

加えて、本作にはヘイト(敵視)の概念があるにはあるっぽいんですが、ここが変に込み入っていて、機能不全気味です。

キャラの再現ということで、例えばアクアがアンデッドに狙われやすい……というのが戦闘でも再現されていて、アンデッドモンスターはほぼどんな状況であれ、アクアがPT内にいるならば、他のメンバーに脇目もふらずに狙い撃ちしてきます。

この仕様は優先度が高めになっているらしく強烈で、ダクネスに用意された「挑発(敵一体の注意を引く)」「デコイ(敵全体の注意を引く)」を発動しても無視されるほど。 なので、確実に守るなら「かばう」を使うことになるんですが……なかなかコストが大きいので、常用しているといざというときにMPがすっからかんなんてことにもなります。

で、「挑発」「デコイ」は「かばう」よりはコストが低いので、特に序盤はこちらに頼る場面もあるかと思うんですが……なんと、この「挑発」には相手によって“効きやすさ”が設定されているので、効果が薄いか、全く無意味な場合もあります。

まぁ、納得はいきますよ。 キャベツだのゴーレムだののような無生物(まぁ、キャベツは生きてるでしょうけど……)に挑発などは効かないと。 ただ、それだけでなく、効きにくいやつも多く含まれているうえ、どいつが挑発が効いて、どいつが挑発の効果が薄いかがわかりにくいんです。

「デコイ」に至っては、まぁ、そうした「挑発」の効きにくい・効かない相手にも一定の効果があるらしいんですが、優先ターゲット(アンデッド→アクア、のような)を捻じ曲げるほどの効果もなく、ぶっちゃけ全然信用なりません。

結局、「かばう」を都度都度使うしかなく、中盤以降は「挑発」「デコイ」ともにほぼ死にスキル化。 うっかり使おうものなら、先程のバランス・仕様とのコンボで、非常に“柔らかい”後衛系キャラに攻撃が向かい、一撃で死ぬような事態を招くのです。

類型他作品なら、「先制されたけど前衛に攻撃が飛んで後衛は無事だー(ランダムターゲット、及び隊列の概念のおかげ)」とか、「後衛に攻撃届いたけど回避高い(AC低い)防具のおかげでなんともなかったー(防具のおかげ)」とかがあるんですがね。

ここが隊列や並び順の概念がなく、防具による対策もしにくい本作では、先制された場合には、各モンスターに設定されているっぽい優先ターゲットに無慈悲なフルダメージが(しかも多段ヒットだなんて!)飛んで死ぬわけです。 ほぼ確実に。

色々な原因が重なってしまったということです。

ポンコツパーティーっぷりをポンコツ(あるいは極端に先鋭化)にすることで再現度を高めたのは英断であったと、すでに書きましたし、そこは取り下げることはしません。

しかし、そもそも、原作の時点である意味バランスがぶっ壊れた状態のメンバーをゲームに落とし込むと、そりゃゲームバランスがぶっ壊れますし、かといっていずれか(優れた方)を軸にして調整したら歪なバランスが加速するのは当然のことです。

もうちょっと平均的なHPのメンバーを軸にバランスをとれば、結果的にダクネスが硬すぎた(そしてそれでヌルゲーと化した)としても、ダクネスのタフさを実感こそすれども“悪感情”はさほど抱かなかったのではないかなと。

以上から、そもそもゲーム化する題材としては(元がゲームをネタにしているにもかかわらず)難易度が高かったんじゃないかなぁと思う次第で。 そもそもこの販売・開発がRPGのノウハウを深く持っているとも思えないので、いささかチャレンジングすぎたのかな……? みたいな。

「ダンジョン攻略が楽しくない=ダンジョン周りの作り・仕様が雑」: 本作のダンジョン周りの完成度は、「この手の3DダンジョンRPGのダンジョンづくりはセンスが要求されるんだなぁ」と痛感させられる結果になっております。

基本的に階層は浅めで平面的、ギミックのたぐいも局所的でレバー操作(ショートカット開通)なども皆無。 とにかく広い方眼紙を埋めることだけを考えたような袋小路の多さ(そして宝箱などはない)……といった塩梅で、なんというか、先へ先へ進んでも楽しみがないんですよね。

一応、ダメージ床や落とし穴(ダメージはない)、回転床、ワープ床……などひととおりのトラップは用意されていますが、煩わしさはありこそしても、「どうやって切り抜けよう」みたいな緊張感はないですし、半ば無秩序に適当に置いてあるように感じる場所もしばしば。

ダークゾーン(暗闇)初登場時、すぐに(数歩先で)回転床も初登場して、割と序盤から「ダークゾーン×回転床」が存在することに「おいおい」とは思いました。

ダークゾーンとの組み合わせゆえに、周りの景色を見て方角を判断することもできないので、回転床に乗ったときの“回転具合”を見極める必要があるという……めんどくせえ!

ダークゾーン及び回転床の初登場がそれ(組み合わせ)ですよ? え? めんどくさくね?

そんでもってその先には……なにもない。 そう、なにも、ないんです。

「トラップの山の通路の先にはきっと貴重品が!」

とか、

「逆にこれ見よがしに宝箱があるけど、罠じゃないのか……?」

みたいなものは、ないです。 やることは、奥へ進むだけ。 サブクエスト時なら目的地へ行くだけ。 それだけです。

トラップや強敵におびえつつも、良さげなお宝があるかもしれないという思いでマップを探索するのも醍醐味のひとつだと思っているので、本作のダンジョン攻略は序盤を過ぎる辺りから徐々に億劫になっていくのでした。

そして、そんなダンジョン攻略で必要となるであろう機能が、本作には備わっていません。 その機能とはなにか? そう! みんな大好き「マップ」機能です!

マップ

ミニマップはあるけど全体マップはありません。 なんでやねん。

いや、歩いた場所を記録してくれるミニマップ機能はあるんですよ。 ただ、全体マップを見ることができないんです。 マップボタン的なのを押しても(ちょっとの)拡大マップに切り替わって全体把握がしにくくなるだけ。

ここでいう全体マップっていうのは、つまり、今いるフロアだけじゃなくて、上下の階層まで含めて、トラップや階段の位置・座標を確認できるようなもののことです。

いやいや、普通あるでしょ? なんなら古典のWizardryのリメイク版でもオートマップ表示できましたし、Empireでもマップ使ったりマピック使えば表示できましたよ!? なんでそこ先祖返りしてるの!?!?(ミニマップはあるのに)

幸か不幸か、本作のダンジョンはワープ地獄を除けば、だだっ広いだけでそこまで構造が複雑でもないため、まぁ、見れなくてもどうとでもなるんですが……びっくりしましたよ。 さすがに方眼紙にマッピングするところまでは退化してなくてなによりです、はい。

それと、昨今のこの手のゲームにはつきものの自動移動(座標指定すると、そこまで移動してくれるシステム。 楽ちん)もないです。 なぜなら、前提となる全体マップがないからだ! めんどくせぇ!

「現代RPGとして必要な情報が開示されていないため煩雑」: 全体マップがないこともなかなかに衝撃的だったのですが、それ以上に衝撃的だったのが、あまりにも情報がマスクされすぎている点。

例をひとつ。 次のスクショをご覧ください。

スキル説明文

さて、皆さん。 こうは思いませんでしたか? 「で、これ使うとどういう効果あるの?」と。

ええもちろん、原作のようなただの宴会芸ではございません。 このスキルを使うと、味方全体のMPを微回復することができます。

ではその効果はどうやって知り得たか? なんらかのボタンを押して詳細を見たのか? いいえ、違います。 実際に使うしか、効果を確認できないのです。

え? マジで? ってなもんですが、マジです。 適当に、ゲームでよく詳細切り替えに使われるボタンを押してみましたが、まぁ、なしのつぶてですよ。 詳細確認なんてシステムがそもそも存在しないのだから、何をしても無駄なのです!

また、別の例を。

装備ステータス

はい、実に簡素な装備の性能の説明ですね。 ですが、実際にはこの武器、魔法の威力に影響する“かしこさ”もいかばかりか上がるんです。 無論、その数値を確認する術は用意されていません! すげー!

この“うんちく”からも、魔法効果アップしそうな感じは読み取れますが、具体的にどれくらい? ってのは不明です。 で、攻撃力はあくまでも物理攻撃力。 魔法使いにとっちゃ物理攻撃力より魔法効果アップのほうが大事じゃありません!? そこを隠すんですか!?!?

ではどうやって、その隠された(隠す必要ないだろ!)性能を確認するか? というとですね、こっちは比較的簡単です。 装備前と装備後のステータスを数値比較すればいいんです! いぇーい!

アホかー! いったいいつのRPGだー!! 薀蓄にもなっていない“うんちく”とか書くぐらいなら、ステータス変化を書け!!! でなけりゃ装備時にステータス変化を視覚的に表示しろー!!!!

ステータス画面

ステータス画面自体はアニメのアレをうまく踏襲していていいと思うんですが、まさか、「ステータス画面のスクショを撮って、装備前後の数値を比較する」だなんていう前時代的にもほどがある作業を、現代のRPGでやらされるとは思いませんでした。

いやー、びっくり、びっくりですよ。 ステータス変化表示なんてFCのDQIVでも出来てたようですよ?(攻撃力・守備力の変化だけとはいえ) どんだけ先祖返りしとるんですかと。

なんというか、基本的な部分は“それっぽく”作ってあるのに、現代RPGとして「普通はあるだろ」っていう機能がないなど、割と粗雑だなぁと感じますね……。

「ひととおり遊んでもボリューム感が不足」: 読んで字のごとく。 ゲームクリア&サイドクエスト全消化&トロフィーコンプリートまで遊んで20時間とちょっと程度。

本作にはいわゆるクリア後のお楽しみが希薄で、周回プレイはあるもののそれによる追加(クエストが増えるとか強敵が配置されるとか)もなく、単純に一部データを引き継いで最初から遊べるだけ……。

唯一、本編進行とは関係なくクリア直後でも強敵であったであろう敵が、某所にわずかに1体用意されているだけで、「やりこみ」という単語からは遠いゲームだなぁと。 RPGとしても道半ばくらいの満腹感で終わってしまいます。 まぁ、この薄味のまま倍近い時間遊びたいかというと……?

ちなみに私はその“クリア直後でも強敵であったであろう敵”を、なぜか意地になって本編クリア前に倒してしまっていたため、クリア後に残ったわずかばかりのサイドクエスト消化と、トロフィーコンプリートくらいしかやることがなくなってしまいました。

ただまぁ、その強敵を倒したのがレベル50前後(本編クリアレベルは60~ですかね?)で、編成や装備、攻め方をあれこれ試行錯誤して……ってのが、結構楽しかったなぁと。 多分、本作プレイ中で一番楽しかったんじゃないかなと。

「採れる行動・戦術の幅が狭いし、変化もない」: これも読んで字のごとく。 前述の通り本作では、登場キャラがすでにスキルを多数習得した状態で、ゲーム本編が開始します。

時系列的にも妥当ですし、普段あまりRPGをプレイしない・慣れていない人への配慮とも言えそうです(もっとも、「このすば」を堪能するにはRPGの経験や素養が必要だと思いますが)。

一方で弊害として、キャラクターの成長・育成感は薄いです。 レベルアップによってスキルポイントを獲得し、それを消費してスキルの習得は可能ですが、習得済みスキルの下位スキルだったり、使いどころがよくわからんものだったりして、なくても困らないというか。

なので、最初にあらかた欲しいスキルを取ってしまったら、あとはスキルポイントを腐らせるだけであり(かといってほしいスキルもない)、攻略上必要なスキルはスタート時点で概ね揃っていることから、「スタートからクリアまで採れる・採りうる戦術がほとんど変わらない」状況を招いています。

これに加え、装備品の種類・数の少なさ、本編進行上のPTメンバーの大半の固定化もあり、ますます代わり映えしない印象が強まっています。 その意味では、クリアまでのプレイ時間が短いのは救い、なのかしら……?

とはいえ、「選択肢がない」のと「自発的に選択を固定化・定型化する」のとでは、似て非なるものだと思いますがね。

Bad: どの程度、なにを意図してかは不明ながら、BGM類がチープ。

例えば、「いかにもゲームっぽいイメージのBGM」にしたのかもしれませんが、BGMがすさまじくチープです。 めぐみんの詠唱時のBGMなんかも、8bitだか16bitだか風のアレンジになってます。

いや、それにしても、ピコピコサウンド(チップチューン)というわけでもなく、こう、なんというか……チープ、なんですよね。 使ってる音源が安物なんだろうなぁ的な。

言うなれば……非常に伝わりにくいことを承知で言えば、「SMILE GAME BUILDER(SGB)という、ゲーム制作ソフトにデフォルトで入っているBGMを若干劣化させたような音色」なんですよね。 ああ、絶対伝わらない。

【SMILE GAME BUILDER】ダイジェスト動画 Part.1

いや、こうして改めて聞くと、SGBのほうがずっとマシでは……?

聞き惚れるようなもんでもなく、かといって懐古的でもなく、原作に忠実でもない本作のBGMは、いったいどんな想定で作られたんですかね……。

とのことなので、意図があってのことなんでしょうけど……申し訳ないですが、結構戦闘曲とかは聞き苦しいものが多かったので、ツラかったです。 いわゆるハード音源ってやつなんですかね?(詳しくないですが)

ただ、メロディやフレーズ自体は悪くなかったかな、とも思います。 音色(音源)がアレだっただけで。

その他諸々

紹介しきれなかったスクショなどをここで供養。

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全滅するとエリスのもとへ。 いくつか会話パターンがあるので、エリスが好きなら何度も全滅してみましょう! デスペナもないので安心!

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OVAに登場したランも登場。 ところで、水着よりずっとこっちのほうがえr なんでもないです。

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見りゃわかるわ!

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サイドクエストをやったりしていると衣装がもらえたりも。 性能差はないので、好きな衣装でプレイできます。

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各種カットインなどにも反映されるのは○。

そしてついでに、早期購入特典の「この素晴らしい世界に祝福を!~この駄女神に教育を!~」のスクショも数枚。

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そういうことらしいです。

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クエストや仕事でお金を稼いで、そのお金で習い事を……という塩梅でゲームが進行。 ちょいちょいイベントが起きたり起きなかったり。

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カニのために頑張れアクア様!

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SDキャラかわいい。

本編とは違い、こっちは完全に独立したミニゲームという感じで、サクッと遊んでサクッと終われる内容。

ステータスの状態やバランスなどによってEDが分岐するっぽいですね。 仮にこの手のゲームが苦手でも、ステータスなどを引き継いで周回できるので、いずれは必ずグッドエンドに到達できるでしょう。 遊びやすい。

結論: いろいろともったいなさすぎる内容・完成度。

プレイしていると、常にちらつくんです、いくつかのワードが。

納期厳しい。 予算(資金)不足。 人材・技術不足。

発売延期してこれか……ってのもありましたし、無料アップデートでの追加クエストも「延期してなお間に合わんから、追加クエストってことにしてしまえ!」とかなんじゃないの? みたいな邪推をしてしまう始末で。

全く楽しめないではなかったものの、大きく不満というか食い足りなさが残る結果となってしまいました。

万一……文字通り万が一、続編を作ることなどあるとしたら……シナリオ面などを深めるのは必要最低限として、RPGとしての作り込みや実装は大幅に力を入れてほしいところ。 キャラゲーだからまだしも、これが新規IPの3DダンジョンRPGだったら受け入れられない内容・出来です。

ファン向けゲームとしてもこのゲームならではのエピソード感も少ないですし、特により深く楽しめたという印象も希薄なので「ファンならどうぞ」とも言いにくいのがなんともはや。

「このすば」に泥を塗るような真似は決してしていない作品ではありますが、魅力を広げることにも寄与できていないような感じなので、なんというかせっかく生み出されたのにもったいない……といったところです。

ポンコツパーティーの再現度は高めですが、ゲーム自体までポンコツになってしまう必要はなかったと思います。