「NG」前作より遊びやすく・とっつきやすくなったホラーADV。

NG イメージ PS Vita

若干の延期を経て発売となった、「死印」の続編といえる作品「NG」。 トロフィーコンプリートまでプレイしたので記事にしてみます。

大枠は前作のそれを継承しつつ、操作性の改善や少し角が取れた印象の内容など、より万民向けに傾いた感じに仕上がっています。 前作プレイヤーはもちろん、今回が初という人でもこの手の作品が好きであれば楽しめるでしょう。

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概要: 人ならざるものとの命がけの遊び。

ひとまずトレーラーを。

PS Vita『NG』PV

開発・販売はエクスペリエンス。 どことなくWiz系のダンジョンクロウルのようなインターフェースを採用した、ポイントクリック型のADVとなっております。

前作「死印」同様、都市伝説的なもの(ゲーム内オリジナルの都市伝説)をベースとして、命の危機に晒された主人公が怪異に立ち向かっていく……という構造になっています。

基本的な部分はほぼ継承していながら、タイトルが「死印2」ではないように、本作は独立した作品と言えます。 随所に前作とのつながりを感じさせるものはあるものの、前作を知らなくても本作の9割5分くらいはそのまま楽しめるかなと。

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参考画像1 セリフ

前作とのつながりといっても、テキスト(セリフ)中に名前が出てくるくらいのもので、設定や登場キャラに“続投しているもの”は皆無です。

参考画像2 OOPARTS

前作の怪異たちのシルエット&死印のパッケージアートが……。

参考画像3 Dカード

本作中の(本編とはあまり関係のない)収集品である「Dカード」に記されたコレはモロに前作のお話。 とはいえ、新規書き起こしのものも多く、前作を知らない人は単に読み物として楽しめます。

無論、前作プレイ済みなら十二分に楽しめるということでもあり、広い層を受け入れられそうな印象です。

Good: 身近に感じられる(恐怖)体験。 それは絵と音で作られている。

本作は1999年を舞台にしてはいるものの、いわゆる現代劇であり、登場するアイテムも時代を感じさせるものから、未だに普遍的なものまで様々です。 そのちょっとレトロなアイテムやワードが、当時を知る人にはまたひとつ味わいをプラス出来ているのかな、と思います。

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参考画像1 PHS

折りたたむことすらできないPHS! 本作をプレイするまで知らなかったんですが、この頃だとPHSでもメールの送受信ができたんですね。 字数制限は今のTwitter以上に厳しかったようですが……。

参考画像2 PC

スクエアなPC! ですが、当時こんなモダンでコンパクトで薄いキーボードってありましたっけ……? もっとこう、キーがゴツいのばっかりだった気も。

また、前作から怪異などのアート担当が変わっているようですが、今回もビジュアル面が魅力的です。

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参考画像1 覗き穴

ドアの覗き穴って、見える範囲狭いし、実は結構怖くありません? ホラー映画とかでのアイテムとしても使われることがありますよね。

参考画像2 心霊写真

不吉な心霊写真……いったいこれは何を意味するのか……。

参考画像3 怪異

暗所で得体の知れない怪異と出会う不気味さ、恐ろしさ。

探索することになるロケーションもイラスト形式で表示され、その描写も身近にありそうで不気味……という塩梅です。 樹海だの地下壕だのとホラースポット巡りだった前作とは対象的に、すぐそこにありそうなスポットばかりな今作はより身近に恐怖を感じられるようになっているというわけです。

そして、その雰囲気や臨場感を大きく向上しているのが環境音や効果音です。 前作でも秀逸でしたが、今回もいい感じです。

例えば高架下にいれば誰かの靴音が響いていたり、屋外だと遠くで救急車のサイレンが鳴っていたり……とシンプルではありますが、ごくごく聞き慣れた環境音や効果音を組み合わせるなどして、あたかもそこにいるかのような臨場感を生み出しています。

ゆえに、本作プレイ時にヘッドホンを装着すると更に効果大です。 ……まぁ、ジャンプスケア(音と瞬間的映像で脅かすアレ)もあるので、必要以上に心臓に負担をかけてしまう可能性もありますが。

これらの相乗効果により、プレイヤーは単なる物語の傍観者ではなく、当事者に近しい体験をすることになるわけですね。

モード選択

ちなみに、(本筋とは関係のない・薄い)恐怖演出の程度・量を変更できるモード選択もあります。 ジャンプスケア系が多いですが、とにかくお腹いっぱい食べたいなら恐怖モード一択!

惜しむらくは、PS Vitaなのでせっかくのアートが活かせていない気がする点。 おぞましくも目が離せない怪異などは、フルHDで堪能したかったものですが……PS4版(あれば)に期待ですかね。

ちなみに一番「うわぁ……」となったのは、心霊体験や怪異のアート……ではなく、主人公の死の刻限が近づくと出るモノだったりします。 3段階あるんですが……最初からアレなんですけど(;´Д`)

クリック・タップで表示(ネタバレ……というより、個人的にキモさ注意)
参考画像 体表に出た口

なんというかこう……キモいっす(;´Д`) しかも“喋る”し、“増える”。 うわぁ……うわぁ!

 遊びやすくなったシステムにして、今一歩なシステム。

正直なところ、一般的な(ADV)ゲームに比べると、本作の操作性はイマイチです。 しかし前作からはだいぶ快適性が上がっているのも事実なので、前作プレイヤーには朗報と言えましょう。

最も恩恵を感じるのがマップ移動で、ミニマップに対応した方向操作をすれば、そのとおりに動いてくれる(例えば右入力すれば右・東へ移動する)だけでも前作経験者としては嬉しい限り。

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参考画像1 探索

探索では怪しい場所を調べたりして、怪異への対抗手段を探します。

参考画像2 調査

調査するポイントによっては、所持品を使ってみたり、「ブラッドメトリー」という血から記憶を読み取る能力で真相に近づいたり……といったことが可能。 隅々までチェックしましょう。

参考画像3 選択肢

そして随所には行動の選択が。 中には参考画像のような時限式のものもあれば、状況を見て適切なアイテムを使って危機を切り抜ける場面も。

今一歩と感じるのは、例えば既読スキップがない(スキップはあるものの、いわゆる“未読もスキップ”で、その上ボタンを押しっぱなしにする必要があります)とか、テキスト表示速度が変更できないとか、セーブ可能なタイミングが前作に比べると限定的だとか……という点においてです。

特にセーブの仕様変更はデメリットしかないような気すらします。 もしかしたら、文字通りほぼいつでもセーブできた前作よりスリリングにするために、探索時以外でのセーブを制限したのかもしれませんが……PS Vitaというハード特性を考えてみても単純にめんどくさい仕様にしかなっていないのでは、と思います(スリープモードがあるっちゃありますが)。

あと、会話イベント中に感情表現選択的なものがあるんですが、それによる好感度変動も含め、あまり意味をなさない(必要性がかなり薄い)印象なのも、もったいないなぁと……。

ともあれ、客観的にみればイマイチイマサンな印象を持たれてもしょうがないかな……と思う反面、前作経験者からすれば、もうひと押し!ってな感じです。 新規の人は本作に快適性を強く求めるのは避けるべきでしょう……。

Good: より個性的で濃くなったキャラクターたち。

前作も個性的な面々が揃っていましたが、今回は更に一回り個性的……のような、そうでもないような面々が揃っています。

主人公

主人公の見た目と名前が変更可能で、見た目は一枚絵のCGなどにも反映されたりします。

主人公の鬼島空良(きじま あきら)。 クールと言うかドライな印象も受けるルックスですが、なにやらその鋭敏な感覚や反射神経と非常に高い身体能力を持ち、アングラなストリートファイトで稼いでいたとかなんとか……。

その能力でもって、降りかかる危機・危難に立ち向かっていく場面もちらほらありますね。 とはいえ、超常的な怪異相手では、その格闘スキルが通用しない場合も……。

前作から一転して、肉体派な主人公ですが、日常から非日常へ転換した際には自身の体験を受け入れる(怪異の存在を比較的すんなり認める)現実主義的な面も備えているため、主人公としては動かしやすそうなキャラです。

葉月薫

ゴス系の衣装は、前作のあるキャラを模したものだとかなんとか。

協力者ポジションのヒロインである葉月薫。 後述の愛海の友人であり、無類のオカルト好き。 物怖じせず主人公をサポートしてくれるわけですが、朗らかな人柄とコロコロ変わる表情が魅力です。

それだけに終わらないキャラなんですが、まぁ、それは本編にて。

天生目聖司

普通のイケメン枠のようでいて、なかなかオイシイ(?)役回りです。

主人公の親友の天生目聖司(あまのめ せいじ)。 見た通りのイケメンキャラです。

……というだけに終わるはずもなく、彼もなかなか強烈なパーソナリティーをお持ちです。 なんと、ヤクザの組長の息子なんです。 それゆえか、命がけのゲームに挑む主人公を“アレ”な方法でサポートしてくれます。

一応、本作は公式にも「アウトローが怪異に挑む」的なものを標榜しているのですが、最もわかりやすい形で体現しているのが彼、かもしれません。

なお、彼もまたそれだけには終わらないキャラです。 上記の設定と合わせて、オイシイわけです。

鬼島愛海

すごく、いい子です。

主人公の義理の妹である鬼島愛海(きじま あみ)。 こちらは協力者ポジションではないですが、重要なヒロインと言える立場です。

主人公は片親(母親)の家庭に育ち、その母親も亡くしてしまったために叔母に世話になっている状況なのですが、その叔母の娘が彼女です。

複雑な家庭環境ながら、主人公が彼女を大切に想っているのがうかがえます。 それも、主人公が不良少年でありながらも悪人というわけではないだけでなく、彼女の素直でいい子としか言いようがない人柄もあって愛されているのであろう、と。

首にかけたヘッドホンが特徴ですが、そのあたりも含め、本編においてキーパーソンとなる一人でもあります。

かくや

ケモミミかわいい。

そして、超常的で神秘的な雰囲気を醸す、かくや。 彼女もまた、今回の怪異騒動に関わってくるのですが……これがまた、なかなか。 可愛らしい外見だからこそ、味わいのある役回りです。

この他にも顔芸が素晴らしい天生目組構成員だとか、ギャンブル中毒の不良ジャーナリストだとか、濃い面々が登場します。 各々様々なバックグラウンドがあったりなかったりで、魅力的です。 前作以上に、どのキャラも印象に強く残るかなと。

ちなみに本作はバッドエンドを含むマルチエンディングを採用しています。 探索・調査中の同行者を変えることで協力者のバックグラウンドが語られたりもするので、2周目は同行者を可能な限り変えてみる……と更に深く彼らを知ることにもなると思います。

あ、私は今作はバッドエンドが一番好きです。

そして、本作の恐怖の対象たる怪異も本作を盛り上げる重要なキャラクターといえます。

本作における怪異とは、怨霊のようなものです。 もともとは何らかの強い恨みや想いを抱えたまま命を落とした人が、色々あって怪異という存在に姿を変えて顕現しているのです。

彼らがなぜ怪異になってしまったのか? を探っていき、相対した時に生き残るヒントとするわけですが、その怪異になるに至る経緯がエグい。 そりゃあ怪異にもなろうもので……というものばかり。 生き残るためだけでなく、彼らにまで思いを馳せると、より楽しめるでしょう。

結論: 前作よりは幅広く楽しめそうな作品。

あらかじめ、正直に書くと……私個人の好みとしては前作・死印のほうが好きです。 前作ではエログロで猥雑な要素が強いほか、怪異デザインだとかも趣が異なっていて、個人的にはそっちのほうがハマった……と。 日常と人物・状況描写をしている本作に比べると、死印はやや唐突に始まるのも好みでした。

ただ明言しておきたいのは、全体的なクオリティーは本作のほうが高いですし、ストーリーのとっつきやすさも本作の方に軍配が上がると思います。 なので、悪い意味ではなく、無難におすすめするならば圧倒的に本作です。

前作との比較ばかりになってしまったわけですが、前作を知らずとも、都市伝説や怪異から逃れるための命がけのゲーム……などにピンときた新規の方にもおすすめできます。 今となっては珍しいタイプのゲームでもありますし。

現時点でもう夏も終わりに差し掛かっていますが、最後の最後にちょっと怖い体験をしたい方、本作はいかがでしょうか。 そもそもタイトルの「NG」とはなんなのか。 そのあたりも探ってみる価値はあるのかなと。

NG - PS Vita
  • エクスペリエンス
  • 価格   ¥ 5,099¥ 6,264
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投稿者プロフィール

壬生狼
壬生狼
みぶろと読みます。 活動名は他にmiburo666・Lupus(ルプス)など。
ゲーム、音楽、映画などが趣味。 このブログではゲーム系記事を公開しています。
現在のアイコンはPSO2のマイキャラであるルナール。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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