まだひとつのEDにしか到達していませんが、とりあえず一周したのでプレイ感想をば。
ついに発売となったシュタインズ・ゲート ゼロ。 先の再放送でのギミックなど、マーケティングなどにも力を入れていて、並々ならぬ熱意と自信を感じる一方で不安もあった本作ですが。
いやはや、ひとまず私が到達したEDというかルートに関して言えば、初代シュタゲをプレイした時に匹敵する読み応えがありましたよ。
はじめに: 過去作のプレイは必須? → 必須です。
実際にプレイした感想に触れる前に……まぁ、いきなり本作からシリーズに興味を持つ人はそう多くないとは思いますが、念の為に過去作をプレイする必要があるかどうかなどを書いておきます。
結論から言えば、「初代シュタゲのプレイは必須」です。
まだ初代シュタゲ未プレイ者のためにも詳細の記述は控えますが、本作は初代シュタゲのある時点から分岐したお話です。
通常のゲームであればエンディング分岐という形で終わるはずのものを、ひとつの作品として重厚長大にしたルート……とも言えるでしょうか。 それゆえ、どういういきさつでこうなったのか、とか、登場キャラクター同士の関係は、とかは初代シュタゲをクリア済みという前提で成り立っています。
それゆえ、「前作を知らなくても楽しめる」というゲームが多い中で、本作は完全に初代シュタゲをプレイし……なおかつ、作品にある程度以上惚れ込んだ人向けと言えましょう。
ちなみに、「比翼恋理のだーりん」や「線形拘束のフェノグラム」といったファンディスクに関しては、プレイは必須というわけではありません。 もちろんシュタゲシリーズをとことん楽しむのであればプレイを勧めますが、「本作を楽しむ」だけであればプレイしてなくてもOKです。
なお、初回封入特典としてPS4版初代シュタゲのDLコードが封入されていますので、PS4を持っているのであれば、本パッケージを購入すれば初代シュタゲも遊べます。 トロフィーは未実装ですが、内容を把握するという意味ではお得でしょう。
以下の項目からは、初代シュタゲをクリア前提での記述になるので、初代シュタゲを未プレイの方はここで引き返すことを強く推奨します。
全体的に暗く静かなトーンが特徴的。
ストーリー概要に関しては、マニュアルから引用させていただきます。
紅莉栖亡きあとの世界。 失意から立ち直ろうともがきつつも、ずっと引きずり続けている岡部が、AIの紅莉栖と再会するところから物語は動き始め……そして再び世界の歯車が狂い始めるわけです。 いや、そもそも狂っていたとも言えますが。
本作も魅力的なヒロインが多数登場する関係上、コミカルな展開や演出は存在します。
思わず笑ってしまうようなエピソードや、心あたたまる小エピソードなどもあります。
……が、そもそも、紅莉栖死後の世界線ということもあってか、全体的なトーンは暗く静かめ。 それは“鳳凰院凶真”の名を封印した岡部の変貌っぷりも無関係ではありません。 彼が中二病・邪気眼に毒された言動を取ることがないんです。
そしてことあるごとに思い返される紅莉栖の思い出……それは慈しむべきものであったり、思い出したくもない惨劇であったり、いずれにせよ、明るくキャピキャピした場面というのは随所に挿入されるだけであり、基本的にはシリアスな空気が漂っています。
特に私がプレイしたルート・到達したEDはバッドエンド相当だとは思うんですが、なかなかに救いのない展開と結末を迎えました。 単に誰かが死んだーとかいう程度のものではなくて、色んな意味でどんよりするような内容でした。 まぁ、最初に向かえてよかったEDと言えるかもしれませんww
で、そんな本作のシナリオは初代シュタゲのように先が気になるものでありながら、印象は少し異なっていたかなと。
初代シュタゲはその内容と展開によって、非常に緊張感と悲劇性にあふれた作風で、それでいて謎が謎を呼び大きな陰謀の存在の影の恐ろしさなどもよく描けていたと思います。 このあとどうなる/どうするの!?と、没頭させられちゃうんですね。
一方の本作は、そこまで強い起伏や劇的な展開は控えめです。 むしろ物語の展開がグラデーションがかったように、連綿と続いている印象なので、どこで切っていいものやら悩む感じ。 けれど初代シュタゲよりつまらないってことではなくて、区切りのいいところってのがないような。
結局、小休止を挟みつつ一周してしまったわけですが……個人的にはシュタゲというシリーズ作品の濫発とそれによる質の低下を懸念していましたが、とりあえず今のところは、それが杞憂だったかもしれないと思っております。 無論、最後まで遊んでどう感じるかはまだわかりませんが。
いずれにせよ、今回も伏線とかはそれなりにいい感じに仕込んでありますし、アレコレと推理・想像しつつプレイしても楽しめる感じです。
やっぱり今回もあるよ、誤用。
もうお約束かもしれませんが、今回もいくつか見つけました、誤用を。 発見し、覚えている範囲では以下の様なもの。
- おもむろに
- 憮然とした表情
まぁ、もはやどちらも誤用の常連ですし、特に「おもむろに」は他の5pb.作品でも頻繁に誤用されているので、そろそろいちいち指摘するのもめんどくさくなるレベル。
しかし、そんな誤用がどうでもよくなる程度には、起承転結の転などで「おっ」と思わせてくれるということは付け加えておきます。
地味~に立ち絵などのクオリティ上昇。 それによって弊害も。
歴代シュタゲシリーズは、キャラデザこそhuke氏が手がけているものの、原画は内勤スタッフじゃないか?というくらい、バランス崩壊などが頻発している作品でもあります。
なので(慣れるとはいえ)立ち絵も、せっかくの一枚絵も見れたもんじゃないレベルのものもあったりしてビジュアル面はあまり期待できない作品でもあったんですが……今回は結構見れる感じになっています。
新たな立ち絵も、全体的にパーツが下に寄り過ぎ?&馬面っぽく感じる……という印象もありますが、旧作に比べればだいぶ垢抜けた感じになったかなと。
先ほど掲載したような一枚絵も今回はだいぶ見れる感じになっていたので、原画スタッフが変わったか、レベルアップしたか……でしょうかね(原画もhuke氏だったら……まぁ、うん)。
ご覧のように全体的にクオリティアップが図られているものの、それによって弊害も。
一部キャラ(ミスターブラウンなど)は旧作のままですし、回想シーンでは旧作の立ち絵表示になっていたりすると、現在の立ち絵とクオリティの差によってギャップが生じるんですよね。
特にまゆりや紅莉栖は違和感をおぼえるレベルに。 まぁどっちがいいかというと、今作のほうがカワイイんですけど。
これによって妙なところで統一感を崩している印象は否めず、どうせならフルで描き直して欲しかったところではあります……。
今のところは感触良好! トゥルーまで楽しめればいいなぁ。
というわけで、ノーマル……あるいはバッド?エンドまでプレイしての感想でした。
物語中でも視点が結構変わるので群像劇的な側面も強く、単純に岡部と紅莉栖の物語に終始しているわけではないのは、人によってはプラスにもマイナスにもなるかもしれませんね。
個人的には若干とっちらかってる印象も受けないでもないものの、そこまで大きくあちこちへ散らばっているわけでもなし、ある意味飽きずにプレイさせてくれているなぁと好意的に受け止められています。
なんとなく、トゥルーエンドを迎えてもビターな結末に終わりそうで、手放しのハッピーエンドがそれほど好きではない私にとってはちょうど良さそうですが……果たしてそこに至るまでもずっと楽しませてくれるかはまだ未知数といったところ。
とはいえ、大きく外した感もないので、平均以上には楽しめる作品だと思います。 シュタゲシリーズのファンなら、遊んでみてもいいんじゃないでしょうかね。
STEINS;GATE 0 – PS4
¥2,498STEINS;GATE 0 – PS Vita
STEINS;GATE 0 – PS3
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