“罪”な「シン・ジョーズ」。 アレとは一切関係がございません。

シン・ジョーズ

ヒットした映画に(勝手に)乗っかって、ギリギリセーフ?アウト?なタイトルをつける映画がレンタルDVDショップに並んでいるわけですが、その中でも色んな意味でHotな感じの「シン・ジョーズ」を見てみました。

なんというか、ある種予想通りであり、ある面では予想外の仕上がりになっておりました。

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某ヒット邦画とは無関係です。

パッケージや起動メニューには「シン・ジョーズ」と書かれておりますが、原題は全く異なっております。

原題

原子力ザメ。

原題: Atomic Shark。 ジョーズ(顎)ですらないですね。

が、そんなのはお構いなし。 配給マジックでタイトルは、某ヒット邦画っぽいアレンジを施されてトランスフォーム。 Sin(罪)なJawsにさせられちゃいました。

パッケージ裏にも、アレを彷彿とさせる「身体の表面が赤くただれている」だの「熱焔を放つ」だの「海中にいるだけじゃなく上陸もする」だのという文字が踊っています。

あのー……サメ映画好きって、襲ってくるサメのパーソナリティーって重視するんですかね? 新作だからとりあえず見てみるとかではなくて?

いや、確かに気にするのかもしれませんね。 頭が何個もあるとか、タコっぽいだとか、なんかそういうバカらしさでもって、見てみるかどうか決めているフシもありますからね。 私がそうですし。

……話を戻しましょう。

というわけで、二番煎じの映画ってわけじゃないんですが、強引に“そう”させられたサメ映画なんですね。 よって、字幕で見ると、割と普通のサメ映画だったりするんですが、“シン”価を発揮するのが吹替です。

強引にネタをねじ込むという力技。

先にも書いたように、字幕で見てみると、本作はサメがちょっとユニークなだけで、アプローチはスタンダードなサメ映画だったりします。

ところが、吹替に切り替えて見てみると様子は一変。 半ば無理矢理に、タイトルの元ネタであるアレのネタをねじ込んでくるんです。

スクショ1

まずこのシーン。 ある程度サメのアレコレが出てきた後のワンシーンです。 字幕や実際のセリフではこのようにクラゲと言っていますが。

吹替では「巨大不明生物だとでも?」とか言ってます。 巨大不明生物て。

また、別のシーン。 ヤバいサメを追跡しようということになったものの、仲間うちでモメにモメているところを仲裁しようとする場面なんですが。

スクショ2

別にどうってことないセリフなんですが、吹替ではやけに高い声で「君が落ち着け!」とか言ってます。 おい。

ええ、大意を外しすぎないようにギリギリまで拡大解釈しつつ、あの作品の発言をポツポツぶち込んでるんです。 なんというか……いいのか、それで!?

では、以下のシーンでは、吹替だとなんと言っているでしょうか。 ちょっと考えてみてください。

スクショ3

ヒント: 船。

まぁ……そういうことです。 好きに考えてみるといいと思います。

共通点は原子力・核というだけなんで、吹替に(国内向けに)ネタをぶちこんで、邦題を大幅に寄せてリリースするという、すさまじい力技。 強引すぎるだろ!

おまけに、あるシーンでは一切セリフがないはずなのに、独自に吹替セリフを載せるということまでやってのけています。

もちろん普通の映画の吹替でも、実際にはない・異なる吹替用セリフを追加することはありますが、比較的短めのものが多いですよね。

しかし、本作はそんなのもものともしません。 かなりの長尺で、相当のセリフ量を吹替用セリフを追加しています。 もはや改竄レベル。

でも不思議と、おバカな作風に、追加されたおバカなセリフがマッチしているんですよね。 Rando Yaguchiも思わず「……すごい」と漏らしてしまいそうな、奇跡的な融合です。 新しすぎる。

そんな塩梅ですので、あの映画経由で本作を見ようかと考えている場合、吹替で鑑賞することを強く推奨します。

もうちょいバカ方面に突き抜けていれば……。

惜しむらくは、大変バカらしい設定や展開ではあるものの、突き抜け具合が足りないのですよね。

オープニングは(邦題や吹替の)元ネタというより、むしろハリウッド版の……エメリッヒのアレとか、ギャレスのアレのような史料映像風のカットが挿入されます。

そして序盤は焦らしに焦らす、それこそ「ジョーズ」などに見られるような、王道なサメ映画っぽい展開です。 ド王道であるとも言えるし、今となっては陳腐とも言えるくらいの。

正直、退屈です。

主人公やその周りが全体的にバカばっかりで、まともなのがヒロインだけなんじゃないかくらいの平均知能指数低めキャラクターズが、ゆる~くグダりながらなんやかんやするわけです。

まぁ、退屈です。

ただ、時折今回のサメ側の主人公である原子力サメさんが出てくると、ちょっとだけ「お、なんかやってくれるかな?」と期待してしまう……んですが、9割は肩透かしにあい、やっぱり退屈な時間が過ぎていきます。

ある時点で「おっ、やっとバカさ加減にエンジンがかかってきたか!?」と期待するも、その後減速していき、先の捏造セリフくらいしか楽しめるところがなくなっていきます……。

本当にヒロイン以外がバカ揃いなので、色々とツッコミどころ満載なのではありますが、スベっている感も強いんですよね。

もし、こういうモンスターパニックの皮を被ったコメディ調映画にするのであれば、滑るとしてもバカ方面にもっともっと突き抜けてくれていれば……と思います。 圧倒的に物足りないんです。

決してアレな映画的には楽しめないわけじゃないんですが、今一歩も二歩も突き抜け具合が足りなく……サメ映画としても、サメの特徴がユニークなこと以外は割と無難と、中途半端さがもったいない作品です。

ネタにするにしても少し弱い部分があるので、鑑賞の際はあまり期待せずに、本作のノリや雰囲気同様、ゆる~く知性を手放す感じで臨むとよいかと思います。

投稿者プロフィール

壬生狼
みぶろと読みます。 活動名は他にmiburo666・Lupus(ルプス)など。
ゲーム、音楽、映画などが趣味。 このブログではゲーム系記事を公開しています。
現在のアイコンはPSO2のマイキャラであるルナール。
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