「真・三國無双8」野心と挑戦心だけは買いたい。 オススメはしないけど。

真・三國無双8

5年ぶりの新作はオープンワールド! ということで、先頃発売となった真・三國無双シリーズ最新作。

発売前の情報や動画でちょっとした期待と大きめの不安を抱えてプレイしてみましたが、なんというか、本来満足させるべき層からは厳しい目をされるのも仕方ないかなぁ、という塩梅でした。

が、妙な愛嬌があるというか、嫌いにはなれない……どころか、なんだかんだ結構楽しめているのも事実なので、その辺を書いていこうかなと。

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: これまでの枠組みから脱しようとした野心作ではあるが……。

まずは公式トレーラーでも。

オープンワールド一騎当千! と高らかに宣言した本作は、これまでのようなステージクリア型から趣を変え、なんと中国大陸を(さすがに実物大スケールではないものの)そのままゲームのマップに採用し、自由な攻略プレイをもたらさんとした野心作。

海外のAAAと言われるオープンワールド採用作品から様々な要素を借り受けつつ、なんとか無双的に取り込み、無双シリーズ新時代の幕開けたらんとした印象を強く受けます。

アクションシステムの変更や、様々な要素の刷新など、かつて大きな軌道修正をしようとし、あまり奮わなかった無双5を彷彿とさせる大冒険でしたが、果たして、無双5と同じくなんとも微妙な感じに終わってしまっています。

: どこまでも広がり、どこまでも空虚な大地。

今作が一番に推している要素といえば、やはり広大な中国大陸を縮小しつつ再現したオープンワールド空間。 きっとそこには、自由な攻略ルートや心躍る探索といった要素があるのだろう……と思っていたんです。

平原と城郭

平原に構えられた城郭。 いかにも中国なその様相は一見の価値はあるかもしれないです。 一見くらいなら。

マップ

徒歩や馬で踏破・走破するには広すぎるので、ファストトラベルも搭載。

寒冷地

北へ行けば寒冷地域があり、

西域

西へ行けば砂漠地帯が。

万里の長城

万里の長城のような名所や、

嵩山

嵩山のような景勝地も。

世界の果て

世界の果て。 見えない壁に阻まれて進めません。 ……が、進入不可領域に素材が落ちてたり、敵がいたり……雑!

しかし実際に私の目の前に現れた中国大陸は、人がギリギリ生活していて、獣がちらほら見かけられ、時折なにか落ちている……生命の息吹を感じられない大地でした。

確かに、広い。 とてつもなく広い。 しかし、ただ広いだけで満足できたオープンワールド空間は、もはや過去のもの。

例えば、SkyrimやHorizonをプレイして、ハッとするような景観に出会ったり様々な発見を楽しんだ経験はないでしょうか。 近年リリースされたオープンワールド採用の大作ゲームは、広さだけではなく、その密度も追求する傾向にあります。

そこに来て本作のオープンワールドは、既に周回遅れの内容。 上にある画像のような“ごく一部”の名所・絶景ポイントを除けば、どこまで行っても、大して代わり映えのしない景色が続いていくばかり。

櫓に登って周囲のマップを開示してみても興味をそそられるものもほとんどなく、オープンワールドの醍醐味のひとつである発見の喜び・楽しみはごくごく薄い印象です。

さて、そうした本作のオープンワールド空間ですが、一体何ができるのでしょうか。

無双シリーズにおいて大規模オープンワールド採用が初ということで、先程の櫓しかり、海外のAAAクラスのゲームを参考にしたと思しきアレコレがありますので書いていきます。

まずは狩猟。

狩猟

画像で使用しているのは爆発矢。 メチャクチャ強いです。

フィールドには鹿や狼、虎といった野生動物がいるので、そうした動物を狩猟することで素材を獲得可能です。

無双で狩り……なんでやねん!って感じはするんですが、まぁ、当時も遊戯と訓練を兼ねて狩りをしていたようなので、全く無関係ではないですね。 とりあえず、システム的には素材獲得が目的として設定されています。

そうして狩猟したり、道中で拾ったりして獲得した素材を使って装備などを作成するわけなんですが。

武器作成

武器や装飾品などの作成には素材のほか、竹簡(要するにレシピ)も必要。

好事家

好事家では狩猟することで貯まるポイントの累計に応じて、そこそこ貴重なものをくれます……が、消費交換式ではないので、一度もらいきってしまうと用無しです。

……そもそもの話なんですけど、無双にこうした素材ゲー要素って求めている人はいかほどいるんでしょう? 元々は武器はドロップ式で、一度レベル式になり、その後ドロップなり強化なりをする形式になりましたが、今回はレシピと素材さえあれば最高クラスの装備を入手可能に。

プレイヤースキルを問わず誰でも入手可能にした、という見方も出来ますが、以下の要素も含めてRPGに仕様を寄せていっている気がします。

釣り その1

釣り。 魚や換金アイテムを入手可能……ですが、ヌシ釣りなどといった遊びはありません。 だって「魚」「上質な魚」しか種類いないんだもん。

釣り その2

むしろ、釣りの有用性は換金アイテムの売却による収入のほうが重要にして重大です。 換金アイテムを釣れる場所&釣餌の組み合わせで10分程度釣りをすれば、かなりの大金を得られました……が、パッチで買取価格が大幅に下方修正された模様。

古銭

折々に入手できる古銭を交換してくれるNPCも。 こちらは交換上限とかはなく、貴重な竹簡や装飾品も取り扱っています。 ちなみに、一部の古銭は釣りでも入手可能なので、序盤で集めておくと攻略上有利。

ステ振り

武将の強化は武器の作成だけではなく、レベルアップごとに入手できるボーナスポイントを割り振る、いわゆる「ステ振り」でも行います……が、割とステータスが上限に達しやすく振り直しが出来ない本作では、レベルを上げきってから振ったほうが無駄がないという微妙な仕様。

宝玉 鍛錬

その他、武器に「宝玉」と呼ばれる強化アイテムを装備して、各アクションを強化も可能。 打ち上げ攻撃に炎属性を付与して継続ダメージを活かしたり……というような強化が可能で、自分好みに試せる点は○。

結果、無双としては異色で、(オープンワールド)RPGライクな要素がありつつも薄く浅い、なんとも中途半端な仕上がりになってしまっている印象です。

例えばですけど、先の狩猟だとか武器作成は「クラフト」に相当する要素と言ってもいいでしょうけど、その割にはあまり遊びの幅や深みを強化してはいません。

そうしたものはマップなどの環境にも作用することで攻略の幅ももたらし、サンドボックス的な試行錯誤が楽しいゲームにも繋がる部分だと思いますが、本作のそれは本当にガワのそのまた一番上の上っ面だけ拝借しただけで、オープンワールドを採用したサバイバルADVだとかの持ち味には触れさせてはくれません。

まぁ、端的に言えば「(参考にしたゲームに存在したシステムを)入れてみました」的な軽薄さすらあるというか、大きく破綻はしていないものの、ディープな旨味は全く引き出せていないんですよ。

一応、私の最終的なスタンスとしては「決して褒められた出来ではないが、その冒険心や野心は評価したい」ってところに落ち着くんですが、基本的にあまり無双のゲームプレイに結びつかない・必然性が薄い要素が多く、「これって必要だったの?」と首をかしげたくなるものが多いですね。

自軍と敵軍の戦を横目に釣りをする……まぁ、それはそれでロールプレイ的には面白いんでしょうけど、それを無双に求めている人はどれだけいるの?っていうことですよ。

で、爆発矢(例の超強い矢)を買うために、のんびり釣りをして資金稼ぎしようとしてたら、重要武将が敗走してゲームオーバー……チェックポイントからやり直しとか。 自由にのんびりと遊ばせたいのか、ちゃんと戦略的に遊んでほしいのかもよくわかりません。

まぁ、それはちょっと極端な例だとしても、そこをいい具合に許容する仕様となると、同社の全武将プレイ対応の三國志みたいなことになるわけですが。 アレを無双でやるとなると尋常じゃない労力になるでしょう(つまり現実味はない)。

結局のところ、今作に関してはオープンワールド化に伴うコンテンツ作成には失敗している(あるいは上滑りしている)、という見方が妥当ではないでしょうか。

料理屋

料理を食べると一定時間バフがかかる「料理屋」。 お金を払えば料理が出て来る……のかと思いきや、食材はテメェで用意しろ!というロックすぎる仕様。 なんでやねん、金払うから飯食わせろよ。

城壁登り

アイデアは良さそうだった「城壁を登る」という要素。 堅牢な城塞内部に侵入してあれこれするのって、楽しそうじゃないですか。

閂

で、城門に行って「かんぬき」を外して開門!とかできるんですよ。 ええ、そこはいいと思います。 ただし、仲間がなだれ込んでくれることはほとんどありません。 意味ねぇ。

ステルス

結局ですよ、息を潜めて城の守将を発見して……、

奇襲

一定距離まで近づいて奇襲! ……するのが早かったりします。 アサなんとかクリードかよ。

なんだって? コソコソするのは性に合わない? なら、爆破でもしとけ!

比較的平和な段階で釣りしまくって金を荒稼ぎし、爆発矢を買い込んでおけば、ほぼどんな戦局もどうにでもなります。 呂布でさえ、数発で消えますし。

これが、攻略の自由度!……ですか?

ちなみに悪し様に書いてきましたが、連動任務というシステムはGood。 どういうものかというと、主要任務の周りに散らばっている副目標群であり、クリアしなくても章クリアは可能だけど、やっておくと戦況が有利に……といった、サイドクエスト的なもの。

これらを消化すれば敵のレベルが下がって撃破しやすくなるだけではなく、味方増援が増えたり、士気のコントロールが可能だったり、大量の経験値がもらえるのでレベルアップが捗るなどいい事ずくめ。

……なんですが、一番の意義は、「やらされてる感が軽減された」ことじゃないでしょうか。 過去作なら、下邳攻めで「水門を破壊しろ!」とかって目標が出たら、やらなきゃいけなかったじゃないですか。

そこを本作は任意にしたんです。 結局やったほうがいいので私はやりましたが、「めんどくせぇ!自分の武で道を開くぜ!」っていう呂布脳の人は、いきなり城に乗り込んでもいいんですよね。

この、選択制にしたことは素直に褒められるところだと思います。 中途半端でもやらないよりはやったほうが楽なので、「ここまでやったけど、後はめんどいから乗り込んじゃえ」でもいいわけですからね。

: バグの多さまで真似せんでも。

オープンワールドを採用したゲームは、その複雑なシステムやコンテンツ、各種フラグなどなど様々な要素のおかげでバグが多いことも珍しくありません。

本作は、そんなバグの多さまでちゃんとリスペクトしているようです。

謎の壁

初回プレイ時、長時間のプレイによる影響か、パフォーマンス低下が感じられるようになってきた頃に現れた、謎の壁(?)。 衝突判定はないものの、非常に邪魔だった(&疲れた)ので電源落としました。

よくあるバグ

よくあるやつ。 敵兵士が浮かんでたりするので、馬防柵の類が浮いていてもおかしくないですね……。

動物などがよくわからん挙動をするのは日常茶飯事。

OP その1

こちらはOP映像。

OP その2

魔法少女ものかよ、と思わんばかりの(趙雲の半裸)映像はもはやバグなんじゃないかレベル。 そういうのじゃ、ないでしょ!

そして、全般的にグラフィックのレベルと不釣り合いな低パフォーマンスっぷり(要するにフレームレートの落ち込みが激しい)であるとか、スタック(地形はまり。 ファストトラベルで脱出可能)なども目立ち、最適化の不足が随所に見られる印象です。

加えて、バグではないもののなんだかアレな仕様もチラホラ。

入れない

ジャンプで侵入できそうな窓。 ……入れないんですよ、すぐそこに諸葛亮がいるっていうのに!

夏侯惇は私です

村にいる夏侯惇と合流……え、私が夏侯惇ですが?

オートラン

本作には目的地まで自動で移動してくれるオートランがあります。 が、だいたいの場面で選択するルートは遠回りであり、道中の障害物に引っかかることが頻発するなど、「なぜ実装したの?」と存在意義を疑うくらい全く使い物にならない出来です。

リスペクト

唯一、正しいリスペクト(オマージュ?)。 I used to be an adventurer like you, then I took an arrow in the knee…

きっと志すもの、目指すものはあったのであろう、とは思います。 ただ、そのどれもが、遠く及ばなかっただけで。 「アイデアは面白いものの出来はイマイチイマサン」なタイプのインディーゲーのように感じられます。

なんでもかんでもオープンワールド化すりゃいいってもんではないし、流行を自社IPの特性と照らし合わせて、採用可否の判断やその実装法の模索をしないとこうなる……という好例です。

素材はいいのに調理法がマズい。 これがもしナンバリングではなく……例えば、派生作品のEmpiresとかであったなら、またちょっと面白いことになっていたかもしれません。 ロールプレイ重視するのなら、別の形でやったほうがよかったのかな、とも。

ただ、だからといって叩きすぎるのもどうかな、という思いもあったりします。

今、国産ゲーム業界は技術的には海外にかなり遅れを取っていて、ニッチ寄りな志向・日本的なアプローチで攻勢をかけるほかない状況です。 冒険をする際のリスクが大きい状況とも言えます。

そんな中で、こうして“冒険”できるメーカーはそれほど多くはありません。 一定以上の体力と野心や挑戦心がないとGOサインは出ないのではないかと思います。

そうして出てきたものは確かに未熟。 なんですが、ここを必要以上につついたり叩いてしまうと、冒険をすることに対して萎縮してしまい、更に格差は広がって(悪い意味での)ガラパゴス化は加速するでしょう。

確かに本作の実装は失敗が多かったと思います。 ただ、コエテクにはその失敗から多くを学び、次につなげてほしいんですよね。 失敗したから全部ダメ、ではなく、どうすればよかったのか? どこを改善すれば化けそうか? という学習の積み重ねが、再びの国産ゲームの復興には必要だと思います。

まぁ、この辺は、私がコエテクのゲームが好きだから「今回はダメだったけど、次は頑張ってくださいね、期待してますから」みたいな甘さも大いに含まれているとは思うんですが、成功だけでなく失敗からも学んで次に活かす……のは重要かなと。

無論、ゲーム開発・販売はビジネスでもあります。 故に、失敗ばかりするような状況も望ましくないわけで、さじ加減が難しいところではありますが、でも実際問題として失敗してしまったという過去があって現在があるなら、悔やんだり萎縮するよりも学ぶ方がずっと建設的です。

今作は同社だけではなく、他社にとっても学ぶべき部分が多い作品とも言えるでしょう。

にしても、マンネリだなんだと言われたので大きくシステムを変えると、今度は前の方が良かったなんだと(同一人物の声ではないにせよ)言われるナンバリングのゲーム開発って、とても大変ですね(他人事)。

: その他、細かい不満。

例えば、

  • いちいち邂逅シーンが挿入されて、テンポが悪い。
  • 雑魚兵を倒す意義が薄い。
  • 武将との絆を深める意義が薄い。

というような点も不満ですね。

邂逅シーンは、敵武将と出会うとアップで表示されるというものなんですが、これが毎回丁寧に発生するので煩わしいったらありゃしません。 複数武将がひしめいている所に突撃しようものなら、攻撃が中断されまくりでストレスもたまります。

過去作だと初回の邂逅時のみ邂逅演出が発生するような仕様だったのですが、なぜ最新作にもなって仕様の後退をしなければならないのか謎です。 特に名乗りを上げるでもないので、不要な演出・仕様です。

名も無き雑魚兵は、爽快感を与えるだけの存在となっており、倒してもたいして経験値が得られない点が寂しい限り。 経験値テーブルと、取得経験値のバランスを見直すべきでは。

武将との絆……武将の平服姿などがプッシュされていましたが、会話イベントは会話ウィンドウ一枚で済むような、当たり障りのない会話イベント(もちろんセリフのボイスはなし)のみ。 絆MAXで貰えるものも希少とは言え素材なので、ありがたみも薄いです。

他にも思い出せないだけで色々と不満はあるんですが、とりあえず目立つのはこんなところでしょうか。

: アクションはシンプルな構造ながら心地よい。

素人が偉そうに講釈をたれつつも、悪言しか書いていないように見える本記事ですが、お待ちかね、ついにイイところのご紹介です。

およそ第一にプッシュしていた要素がコケてしまっている状況ですが、幸い、アクション部分はかなりよく出来ていると思います。

今回はこれまでの通常攻撃+チャージ攻撃という仕組みを今一度廃止、フロー攻撃・リアクト攻撃・トリガー攻撃といったものを組み合わせてプレイする方式に変更。

字面だけ見るとサッパリですが、これまでの通常攻撃がフロー攻撃に、チャージ攻撃がリアクト攻撃に置きかわり、そこに起点となるトリガー攻撃が加わった形。

フロー攻撃は連続攻撃であり、敵の状態(立ち状態、浮かし状態……など)によって攻撃法が変わる追撃に向いた攻撃手法。 リアクト攻撃は敵の状態や状況(距離など)によって攻撃法に変化があります。

これらから敵に殴りかかってもいいし、気絶・打ち上げ・ダウンの3種類が存在するトリガー攻撃を起点にしてもいい。 もちろん、これらを組み合わせてのコンボをつなげてもいいし、あえてどこかで切って変化球を加えてもいい。

これまでの決まりきった通常攻撃を何回か→チャージ攻撃という流れから、よりアクション性の高いシステムに切り替わった、ということです。

この説明すらも、文字ではわかりにくいと思うんですが、基本的な操作感はそれほど変わっていないどころか、かゆいところに手が届く印象すらあり、操作していて簡単に心地よさのあるアクションが発動できて非常にイイと思います。

フロー攻撃

敵にフロー攻撃やリアクト攻撃などをヒットさせ続けていると、時折こうして△ボタンマークが。 ここで△ボタンを押すと、

リアクト攻撃

敵の残り体力によらず一撃で葬り去るリアクト攻撃が発動。 バッサリ感があって心地よいです。 ……が、どうしても効率的にプレイしようとするとここに行き着いてしまい、慣れてくると結局単調になってしまいがちという側面も。

まぁ、呼称だとかは変わっても、そこは無双。 簡単操作で爽快感を味わえるアクションってことには変わりなく、戦国無双ともまた異なる心地よさがちゃんと継承・進化を見せているので、この部分は心配いりません。

状況によって変化だとか使い分けだとか、難しそうに見えるのは文字だけ。 実際触ってみると適当に組み合わせていても勝手に攻撃がだいたい繋がってくれますので、考えなしにボタンポチポチでも自分なりにコンボを組み立てて戦うでも、どちらも可能という懐の深さは感じられます。

武器などのデザインは現実的な範囲のものにした、とのことで、武器種が減ったことにより再びモーションにコンパチ(使い回し)が出てきてしまったのはマイナスですが、そもそものアクション部分が非現実的なので、武器もクレイジーなデザインのままでも良かったのでは……とは思います。

ちなみにこのアクションを使って戦うことになる敵兵たちは、中国大陸の各地にまばらに散っている印象で、パッと見はまばら過ぎて爽快感が減ったようにも思えます。

しかし見方を変えると、この中国大陸全土がひとつの大きなステージとも言え、過去作でも敵の過密部分と過疎部分があったように、本作でもそうして密度が地域によって異なる(+広大になったために余計過疎部分が多く感じられる)だけ、とも思えます。

もっとも、敵の守備が堅い城塞なんかにはギッシリと敵がひしめいているので、そこで大暴れすればいつもの無双的爽快感が得られます。

: キャラの見せ方が改善された。

今回の登場武将は総勢90人ほど。 ストーリー自体は各勢力ごとでほぼ共通なものの、ED自体は各キャラごとにあるという凄まじさ。

こう書くと描写が薄くなりそうなもんですが、意外や意外、キャラ描写はとてもいいと思います。 いいというか、なんでしょうね、人間臭さが出ているというか。

これまでの作品……とくに近年の作品は、増えすぎたキャラ数も影響し、各キャラの個性付けがクドくなっていました。 何かと仁だの正義だのと口癖を口走らせてみたり、なんだかよくわからないキャラ付けになっていたり……。

これは、増え続ける新キャラと、古参の旧キャラどちらもお互いに食い合わないように・埋没しないようにという策だったのだろうとは思いますが、長くプレイしていると臭いやりとり・クドいやりとりが続き、胃もたれも起こすというもので(と言いつつ、シナリオはいいものもありましたが)。

そこにきて本作は、これらからすると落ち着いたというか、若干地味になった印象。 そのかわり、各キャラの人間性がセリフやカットシーンでの表情に現れていて、想像以上に味わい深いなと。

最初にプレイした曹操の描き方も、これまでの野心と自信の塊だった描写から、好感のもてる才気と器、志を感じる描写に変化。 また、呂布の娘たる呂玲綺では、不器用ながらも愚直とも言えるほど純粋に父を第一に考える武家の娘になっていて、こちらも心動かされるキャラになっていました。

もちろん、張角や董卓、呂布といったあたりの、変化が小さいもしくは見られないキャラもいますが、大半のキャラはちょっとこれまでとは違う味を出せているんじゃないかなと。

多くの会話シーン(カットシーンにあらず)では人形劇じみた安っぽい演出がネックではあるものの、そこをセリフと担当声優による演技がカバーしています。 自分の好きな武将をもっと好きになれるかもしれない、あるいは、まだ見ぬ人間性を垣間見れるかもしれない……そんな仕上がりです。 是非、今後もこの路線でお願いしたいですね。

ただ、人数が人数だけに、ファン層としても好きな武将が分散しているでしょうに、未だにシナリオ進行でキャラをアンロックする形式は「もう古い」んじゃないでしょうか。 もう、好きな武将・好きな時代でいきなり始められるようにしてもいいんじゃないですか? とは思いますね。

そうそう、今回はプレイアブルキャラ以外にも固有グラが与えられたキャラが登場しているので、その辺のスクショも掲載しておきます。

袁術

ついにハチミツ皇帝さんにも独自のグラフィックが! キャラ付けもちょうどいい・わかりやすくていいと思います。

董白

復讐鬼と化した董白、可愛いです。 命がけで追いかけられたいですね(錯乱)

皇甫嵩

しかし! まだモブ武将から脱せない(おそらく未来永劫脱せない)マイフェイヴァリット皇甫嵩様は……なんだこのブサさは……鬱だ。

おなじみ兵士 その1

もはやおなじみ? のダジャレ兵士なども続投。

おなじみ兵士 その2

嫌いじゃない。

おなじみ兵士 その3

あなた方も今後も続投できるよう頑張ってください。

: 人にオススメはできないけど、嫌いにもなれない、そんなゲーム。

本作にはじめて触った時は、悪い予想が当たってしまった・やらかした感がやはり強かったです。 直近でプレイしていたゲームがMHWだったこともあり、グラフィック面の見劣りがツラくもあり、無味乾燥としていて空虚なオープンワールド空間も際立っていたなと。

そこからひとまず、馬で駆け回ってみたり、釣りにふけってみたり、櫓を目標にぶらついてみると、じわじわ楽しくなってきたりもして。 決してコンテンツがギッシリ豊富というわけでもなく、なにか強烈な魅力があるわけでもなく、べらぼうに楽しいわけでもない。 ただ、なんだかやりたかったことが見える(拝借具合が見え見え)とか、そのダメさが逆に可愛らしくも見えてきて。

そう安くない価格で、この出来と内容かよ!と。 無双ファンもオープンワールド部分に期待してやってきた層も満足させられない、これは一体何だと。 これはクソゲー判定されてもしょうがないかなぁ……と思いつつも、どこか嫌いになれない自分がいて。

なんというか、無双に色んなゲームのシステムを混ぜ合わせたキメラ的な……変なゲームだなというのが大雑把な印象になり、その不協和音や不完全・未熟な出来・アンバランスさが、ダメだと思いつつも楽しんでいるフシもあって、なんと書いていいのかわからん!というのが本音なんですよね。

かつて旧ブログで、某作品を「既視感の塊でしかなく、オリジナリティはない。」と書きました。 その点において、本作も同様な要素を含んでいるといえるでしょう。

両者の違いは、「大きなバグもなく一応ちゃんと遊べるけど、面白みはない」某作品と、「バグだらけで不安定だけど、なんかよくわからんけどじんわり・ほんのり楽しい気がする」本作といったところで、本作はなんとかその未熟なキメラっぷりが楽しめているのが不幸中の幸いかなと。

なので、嫌いじゃないです。 ……が、何度か書いたように、無双ファンにも、大々的に宣伝していたオープンワールド部分に興味を持った人にもオススメはできない、というのが実のところです。

題材だけでなく内容も万民向けではなく人を選ぶ……というか、ニッチ向けのインディー魂すら感じられる本作。 フルプライスに見合う品質は保証しかねますが、なんだか変で妙ちくりんな無双をやってみたい人には、ほんのりオススメしておきます。 価格落ちてからとかで。

投稿者プロフィール

壬生狼
みぶろと読みます。 活動名は他にmiburo666・Lupus(ルプス)など。
ゲーム、音楽、映画などが趣味。 このブログではゲーム系記事を公開しています。
現在のアイコンはPSO2のマイキャラであるルナール。
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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